市貝町レッドリストについて
市貝町には、自然豊かな里地里山環境が残っており、そこには多種多様な野生動植物が生息・生育しております。それは、多数存在する谷津田やその周辺の里山で農林業が営まれてきたからです。
しかし近年、農家の減少や高齢化によって、耕作困難な谷津田が放棄されるようになったことや、さまざまな開発が進んだこと、加えて人による捕獲や採集、外来種による捕食など、様々な要因で絶滅の危機にさらされている野生動植物も存在します。
その保護には、本町における絶滅のおそれがある希少な野生動植物種の生息・生育状況を把握するとともに、適切な環境管理や保護対策の実施、町民への普及啓発を講じる必要があります。そこで、基礎資料として本町の地域性に特化した希少野生動植物を評価するレッドリストを作成しました。(※現レッドリストは過去のデータに基づいた暫定的なリストであり、今後現地調査などを実施し、その結果をもとに必要に応じて改正します。)
選定基準ついて
町カテゴリーは、栃木県のレッドリストを参考に(1)絶滅危惧Ⅰ類(Aランク)、(2)絶滅危惧Ⅱ類(Bランク)、(3)準絶滅危惧(Cランク)、(4)要検討の4段階に分けました。各カテゴリーとその選定要件は以下の通りです。
(1)絶滅危惧Ⅰ類(Aランク):絶滅の危機に瀕している野生動植物
次のいずれかに該当する野生動植物
①既知のすべての個体群で、危機的水準にまで減少している。
②既知のすべての生息・生育地で、生息・生育条件が著しく悪化している。
③既知のすべての個体群が、その再生産能力を上回る捕獲・採取圧にさらされている。
④ほとんどの分布域に交雑のおそれのある別種が侵入している。
(2)絶滅危惧Ⅱ類(Bランク):絶滅の危機が増大している野生動植物
次のいずれかに該当する野生動植物
①大部分の個体群で、個体数が大幅に減少している。
②大部分の生息・生育地で、生息・生育条件が明らかに悪化しつつある。
③大部分の個体群が、捕獲・採取圧にさらされている。
④分布域の相当部分に交雑のおそれのある別種が侵入している。
(3)準絶滅危惧(Cランク):存続基盤が脆弱な野生動植物
次のいずれかに該当する野生動植物
①分布域の一部において、個体数が減少している。
②分布域の一部において、生息・生育条件が悪化している。
③分布域の一部において、捕獲・採取による圧迫を受けている。
④分布域の一部において、交雑可能な別種が侵入している。
(4)要検討:絶滅危惧のカテゴリーに含まれる可能性はあるが、現時点では生息・生育状況をはじめとしてランクを判定するに足る情報が
得られていない野生動植物