「ゼロサム社会」という仮想社会があります。決まった範囲で限られた数と量しかないのに、そこにいる者みんなで奪い合いをするのです。結末は想像できる通り、強い者が全部取って社会が崩壊します。
戦争と自然災害が頻発する世界に、小さな命は降りてきたくないと思っているはずです。成長一辺倒から脱却し、数量よりも質を優先するとともに命を尊重し、物を大事に使う落ち着いた環境が望まれます。一人増やすことは、他から一人引き算することに繋がります。答えは、ニーチェが言うように足元にあります。「足下を深く掘れば泉が湧く」自分の子や孫を戻せば、他の自治体を衰退させずに家も集落も円満に維持できるはずです。
また、当町は小さな町です。授業料や給食費などは、国の責任で公平に全国一律で実施すべきです。市町村は、財政の範囲内で独自の特色のある政策を行うのが限界です。こういう考えに基づいて、誰一人取り残さない市貝町を目指し15年間全力で取り組んで参りました。子育て子育ちの人生スタートラインは平等であるべきであるとの信念から、全国トップクラスの施策・事業を整えて参りました。福祉にあっては、落日を前に高齢者がますます光輝けるように職員が努め、国や他の自治体が模範とするレベルに達しています。
今後の課題は、バイパス周辺の開発と中学校旧校舎の改築に合わせた小学校統合問題、また、命と谷津田の再生をテーマとした都市との交流の促進です。救急車と消防車が通れる農道とシャワーの水が確保できる水道が整えば、大震災に直面する都市住民は、サシバの里に安心と魅力を求め空き家を捜しにやってきます。
現実と実態を踏まえた「まちづくり」に取り組みます。