特別徴収とは
特別徴収とは、事業所等が本人に代わり月々の給与から、住民税を徴収して 市町村に納める納税方法です。それに対して、個人で納付書や口座振替等により、住民税を納める方法を普通徴収といいます。原則として、所得税を源泉徴収している事業所等(給与支払者)は従業員等の住民税を特別徴収しなければなりません。
特別徴収のメリット
・ 従業員等の一人一人が、役場・金融機関等に出向いて納税する手間を省けます。
・ 納期については、普通徴収が4期(6・8・10・12月)であるのに対し、特別徴収では、毎年6月から5月の12期であるので、納税者にとっては、1期当りの税負担が少なくてすみます
特別徴収をするための手続き
・ 給与支払報告書(総括表)の右下の「前年の特別徴収義務者指定番号」の欄に朱書きで特別徴収希望と記載のうえ、各市町村にご提出ください。
・ 給与支払報告書提出後につきましても、随時受付を行っております。特別徴収を開始する際には、「普通徴収から特別徴収へ変更依頼書※」を各市町村税務担当課まで提出していただく必要があります。
特別徴収義務者とは
特別徴収義務者とは、納税者(従業員等の個人)の町県民税について、給与を支払う際にあらかじめ徴収し、納入する義務を負うもので、地方税法並び市貝町税条例の規定によって指定されたものをいいます。
町・県民税を特別徴収される人
1月1日現在市貝町に住所を有し、前年中の給与支払いを受け、かつ年4月1日現在において給与の支払いを受けている人、及び退職所得の支払いを受けた人。
納税義務のない人
- 生活保護法による生活扶助を受けている人
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下の人
- 前年中の合計所得金額が
【28万円×(本人+同一生計配偶者・扶養親族の人数)+10万円+17万円(※)】以下の人
※「17万円」は、同一生計配偶者または、扶養控除の対象となる扶養親族を有する人について加算します。
徴収及び納入について
6月分の給与を支払う時に特別徴収税額通知書の「6月分」欄に記載された金額を納税者より徴収して、7月10日までに納入書に必要事項を記載し、指定金融機関に納入してください。
以後、毎月特別徴収税額通知書の「7月分以降」欄に記載された金額(税額変更の場合はその金額)を徴収し、翌月10日(民法第142条に規定する休日又は土曜日に該当するときは、これらの日の翌日)までに納入してください。
納期限までに完納しない場合は、法律の定めるところにより延滞金を納入しなければならないとともに、滞納処分を受けることになります。
なお、督促状が発せられてから納入した場合は、督促手数料を納入しなければなりません。
納税者の退職転勤等について
納税者が年の中途で退職又は転勤し徴収できなくなったときは、その月まで徴収し
翌月10日までに必要事項を記載して提出してください。
転勤した人が新勤務先で引き続き特別徴収を行う場合には、届出書備考欄に月割額を記載し新勤務先に回付してください。
※ なお年の中途で退職した場合の徴収方法については次のとおりです。
- その納税者が新しい会社に再就職し、引き続き特別徴収されることを申し出た場合は、「給与支払報告及び特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」の「ご注意2」を参照してください。
- その年の12月31日までに退職した人で、まだ徴収されていない残りの税額を退職手当などからまとめて徴収されることを申し出た場合は、一括徴収になります。
- 翌年の1月1日以降4月30日までに退職した人で(1)に該当しない人の場合は、本人の申出がなくても給与又は退職金から残りの市県民税の額を一括徴収することになります。
徴収税額の変更通知について
既に通知した税額を変更する必要が生じたときは、特別徴収税額の変更通知書を送付しますので、変更された月割額で徴収してください。
特別徴収額差引簿の処理について
退職・転勤・税額の変更等が生じた場合は、記録し、間違いのないように整理してください。
納税者への税額通知書等の交付
町から送付する納税者への税額通知書等は、すみやかに各納税者に交付してください。なお、退職等により交付できない人がある場合は「給与支払報告及び特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を付けて返送してください。
特別徴収事務担当者様へのお願い
退職される方に、次の事項を必ず連絡してください。
(1)年税額のうち、退職した月の翌月以降の未徴収税額は、税務課から別途送付される納付書により納めていただくこと(普通徴収)になります。(一括徴収された場合を除く)
(2)町・県民税は前年の所得に基づいて計算されます。したがって、退職して無収入になっても、前年の所得に応じて課税になることもあります。
給与支払報告書について
給与支払報告書は、個々の従業員の給与所得額や所得控除額を給与の支払者から町に報告していただくものです。
※1月1日現在において給与の支払をするもので、当該給与の支払をする際に所得税を徴収する義務のあるものは、1月31日までに給与支払報告書を提出しなければなりません。給与支払報告書の提出先は、給与の支払を受けている者の1月1日現在における住所所在地の市町村とされています。
(地税法第317条の6)
給与支払報告書は3枚つづりになっています。1枚目と2枚目を税務課に提出して下さい。3枚目は源泉徴収票になりますので、必ず従業員に渡してください。給与支払報告書は、税務署、町税務課にて配布しております。
給与支払報告書を提出の際には、総括表に、給与支払者所在地・名称等の必要事項を記入し添付して下さい。市貝町で特別徴収義務者に指定している事業所には、12月に総括表を送付しています。必ず特別徴収該当者と普通徴収該当者の報告書を分け、それぞれに総括表を付けてください。市貝町で特別徴収義務者に指定を行っていない事業所には総括表は送付しておりません。税務署、税務課にて複写式の総括表を配布しております。
退職所得に対する町県民税について
退職所得に対する個人の市町村民税及び道府県民税については、所得税と同様に、外の所得と区分して退職手当等の支払われる際に支払者が税額を計算し、退職手当等からその税額を差し引いて、市町村民税と道府県民税をあわせて市町村に納入することとされています。
1. 納税義務者と課税する市町村
- 納税義務者
→ 退職手当等の支払を受ける人
- 課税する市町村
→ 退職手当等の支払いを受けるべき日(通常は、退職した日)の属する年の 1月1日現在における住所の所在する市町村
- 課税されない人
(1) 退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日現在において生活保護法の規定による生活扶助を受けている人
(2) 退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日現在において国内に住所を有しない人
(3) 退職手当等の収入金額が退職所得控除額より少ない人
※ 死亡により支払われる退職手当等に対しては相続法の規定により、相続税の課税対象となりますので住民税は課税されません。
2.退職手当等の支払いを受ける人の申告
・提出先など
退職手当等の支払いを受ける人は、その支払いを受ける時までに、「退職所得の受給に関する申告書」(所得税の「退職所得の受給に関する申告書」と同一用紙になっています。)をその支払者を経由して、その退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日における住所が所在する市町村に提出しなければならないことになっています。(ただし、この申告書は、退職手当等の支払者が受理したときに市町村長に提出したものとみなされ、支払者の手元に保管していただくことになっていますので支払者は市町村長に提出する必要はありません)。
退職手当等の支払者は、この「退職所得申告書」をもとにして退職所得にかかる所得割の税額を計算してください。
3.退職手当等に対する住民税所得割の課税標準
退職手当等に対する住民税所得割の課税標準は、その年中の退職所得の金額です。したがって、同一年中に2以上の退職手当等の支払いを受ける場合は、これらの合計額について算定される退職所得の金額です。
- 退職所得の金額
退職所得の金額は、所得税法第30条第2項に規定する退職所得の金額の計算の例により、次の算式によって計算します。
退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
(1,000円未満の端数切捨て)
(1) 退職所得控除額の計算
退職所得控除額は、分離課税に係る所得割を徴収すべき退職手当等を支払うべきことが確定したときの状況により、所得税法第30条第3項及び第4項の規定の例により、勤続年数に応じて、次の算式によって計算した額です。
・.勤続年数が20年以下の場合
40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)
・勤続年数が20年を超える場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
※ なお、退職手当等の支払いを受ける者が在職中に障害者に該当することになったことにより退職した場合には、上記イ又はロの金額に100万円を加算した金額が控除されることになります。
- 退職手当等にかかる所得割の課税標準額(=退職所得の金額)
退職所得の金額は所得税法の規定にしたがって計算されます。したがって、退職所得にかかる所得割の課税標準額は所得割と同額になりますから、退職所得にかかる所得割のために特に課税標準額の計算をする必要はありません。
※ 退職所得にかかる所得割については、基礎控除や配偶者控除、扶養控除等の所得控除はありません。
4.特別徴収すべき税額の計算方法
退職手当等に係る所得割の税額は、退職所得の金額に、税率(市町村民税は6%、道府県民税は4%)を適用して計算しますが、当分の間は、そうして求められた税額から10%に相当する金額を控除するものとされています。
※ 特別徴収税額計算の流れ
|
+ |
|
|
= |
|
税率 |
市町村民税額
(A) |
道府県民税額
(B) |
6% |
4% |
|
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- |
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控除額 |
(A)×10%
(C) |
(B)×10%
(D) |
|
= |
|
特別徴収すべき税額 |
市町村民税額
(A)-(C) |
道府県民税額
(B)-(D) |
|
注)
- 退職所得の金額(収入金額から退職所得控除額を差し引いた後の金額に2分の1を乗じて得た額)に、千円未満の端数がある場合は、千円未満の金額を切り捨てる(退職所得の金額は、1,000円単位)。
- 市町村税額(A)、道府県民税額(B)は、端数処理を行わない。
- 控除額(税率×10%)は、端数処理は行わない。
- 特別徴収すべき税額(市町村民税額、道府県民税額)に、百円未満の端数がある場合は、それぞれ百円未満の端数を切り捨てる。(特別徴収すべき税額は100円単位)。
5.徴収した税額の納入
- 納入先
退職者の退職手当等の支払いを受けるべき日(通常は退職した日)の属する年の1月1日現在における住所が所在する市町村に納めていただきます。
〈納入の際の注意点〉
・所得税の納付先は、源泉徴収義務者(特別徴収義務者)の事務所等の退職所得等の支払いの日における所在地所轄税務署とされていますが、退職所得にかかる所得割の納入先は上記のとおりですので、退職所得等の支払を受けるべき日における住所地の市町村と異なる市町村となる場合があります。
・退職所得等が退職した日の属する年の翌年以後に支払われた場合は、現実に支払われた年の1月1日現在における退職者の退職所得の支払を受けるべき日(通常は退職した日)の属する1月1日現在における住所が所在する市町村です。
- 納入の手続き
納入方法
→退職手当等の支払者が、「市町村民税 道府県民税 納入申告書」(納入書と同一用紙の納入済通知書の裏面になっています)により納入
納入期限
→徴収した月の翌月10日までに、「市町村民税 道府県民税 納入申告書」を提出するとともに、申告した税額を同日までに納入
納入先
→申告書提出先の収入役、指定金融機関、指定代理金融機関又は収納代理金融機関
※ 退職者の退職した年の1月1日現在における住所が所在する市町村と特別徴収義務者の事務所等が所在する市町村内に所在する金融機関(郵便局を含む)で、当該退職者の住所が所在する市町村の長が指定して特別徴収義務者に通知したものがあれば、その金融機関に払い込んでください。
6.特別徴収票
「特別徴収票」(所得税の退職所得の源泉徴収票にあたり、源泉徴収票と複写になっています。)は、退職手当等の支払者が各受給者について支払の確定した退職手当等の金額や特別徴収税額等を記載して2部作成し、退職後1月以内に1部を退職手当等の支払いを受けるべき日の属する年の1月1日現在における各受給者の住所所在地の市町村長に提出し、他の1部を受給者に交付しなければなりません。
(特別徴収票の提出又は交付が省略される場合)
・法人(人格のない社団又は財団も含む)の取締役、監査役、理事、監事、清算人、その他役員(相談役若しくは顧問を含む)以外の受給者に対する交付のみで市町村提出する必要はありません。
・退職所得にかかる所得割がないときは、特別徴収票の受給者への交付は必要ありません。ただし、受給者から請求があった場合には交付しなければなりません。