国民年金が支給されるとき
国民年金を受ける場合は、老齢になったときは「老齢基礎年金」、障害者になったときは「障害基礎年金」、遺族になったときは「遺族基礎年金」が支給され厚生年金保険や共済組合からは、基礎年金の上乗せとして、報酬比例の年金が支給されます。
老齢基礎年金
老齢基礎年金は、受給資格期間を満たした人が原則として65歳になったときに受けられる年金です。
年金を受けるために必要な期間
- 国民年金の保険料を納付した期間
- 国民年金保険料の免除または学生納付特例を受けた期間
- 第3号被保険者期間
- 任意加入できる人が加入しなかった期間(合算対象期間(注))
- 昭和36年4月以降の厚生年金や共済組合の加入期間
これらを合計して、原則として10年(※)以上の期間が必要です。
※平成29年7月以前の受給権発生については、老齢基礎年金受給資格期間は25年以上必要です。
(注)合算対象期間
次の期間は合算対象期間となり、受け取る年金額には反映されませんが、年金を受け取るために必要な期間として合算されます。
★主な例
・厚生年金や共済組合の加入者の被扶養配偶者で、昭和36年4月から昭和61年3月までのうち、国民年金に任意加入しなかった期間
・平成3年3月以前に20歳以上の学生で任意加入しなかった期間
・厚生年金の脱退手当金を受けた期間のうち、昭和36年4月以降の期間
・日本国籍のある方で、昭和36年4月以降の20歳から60歳までの間、海外に居住していて国民年金に任意加入しなかった期間
障害基礎年金
障害基礎年金」は、病気やけがによって障害が残ったときに受けられる年金で、次の場合があります。
① 国民年金の被保険者期間中に初診のある病気やけがで障害者になったとき
② 国民年金の被保険者であった人で日本国内に住所のある60歳以上65歳未満の人が障害者になったとき
③ 20歳前に初診日のある病気やけがにより障害者になったとき
支給が受けられる要件
①・②に該当する場合
○ 障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日、またはその期間内に症状が固定した日)に1級・2級の障害の状態にあること
○ 傷病の原因となった傷病の初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除を受けた期間を合わせた期間が加入期間の2/3以上あること
★ 初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間の保険料が納めてあれば(免除も含む)受けられます。
初診日の前日までに保険料の納付または免除申請が必要です。
③ に該当する場合
○ 障害認定日が20歳以前にあるときは、20歳になったときに1級・2級の障害の状態であること
○ 障害認定日が20歳以後にあるときには、障害認定日に1級・2級の障害の状態であること
★ 本人に一定以上の所得がある場合、半額または全額が支給停止になります。
年金額
【障害基礎年金】
○ 1級【昭和31年4月2日以後生まれの方】 1,039,625円
○ 1級【昭和31年4月1日以前生まれの方】 1,036,625円
○ 2級【昭和31年4月2日以後生まれの方】 831,700円
○ 2級【昭和31年4月1日以前生まれの方】 829,300円
【子の加算額】(1人につき)
○ 1人目・2人目 239,300円
○ 3人目以降 79,800円
子の加算額については、障害基礎年金を受けられるようになったとき、生計を維持している子(18歳到達年度の末日までの子、または20歳未満で障害の状態が1級・2級の子)がいるときに加算されます。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金に加入しているまたは加入していた配偶者が死亡したときに、その死亡した配偶者に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給される年金です。
支給が受けられる要件
① 国民年金に加入している人
② 国民年金に加入していた60歳以上65歳未満で、日本国内に住所のある人
③ 老齢基礎年金を受けている人
④ 老齢基礎年金を受けるために必要な期間(納付・免除をあわせて25年)を満たしている人
★ ①・②の場合、死亡した月の前々月までの国民年金の保険料を納めなければならない期間のうち、保険料を納めた期間と免除を受けた期間を合わせた期間が、2/3以上あること。また、死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納がなければ受けられます。
死亡日の前日までに保険料の納付(免除も含む)が必要です。
支給が受けられる遺族
① 18歳到達年度の末日までの子または20歳未満で障害の状態が1級・2級の子と生計を同じくしている配偶者
② 18歳到達年度の末日までの子または20歳未満で障害の状態が1級・2級の子
★ 配偶者が遺族基礎年金を受けている間は、子は支給停止になります。
年金額
妻または夫が受けるとき【昭和31年4月2日以後生まれの方】
子の数 |
基本額 |
加算額 |
合計 |
1人 |
831,700円 |
239,300円 |
1,071,000円 |
2人 |
831,700円 |
478,600円 |
1,310,300円 |
3人 |
831,700円 |
558,400円 |
1,390,100円 |
妻または夫が受けるとき【昭和31年4月1日以前生まれの方】
子の数 |
基本額 |
加算額 |
合計 |
1人 |
829,300円 |
239,300円 |
1,068,600円 |
2人 |
829,300円 |
478,600円 |
1,307,900円 |
3人 |
829,300円 |
558,400円 |
1,387,700円 |
子が受けるとき子
子の数 |
基本額 |
加算額 |
合計 |
1人 |
831,700円 |
- |
831,700円 |
2人 |
831,700円 |
239,300円 |
1,071,000円 |
3人 |
831,700円 |
319,100円 |
1,150,800円 |
老齢基礎年金の繰り上げと繰り下げ
老齢基礎年金の受給開始年齢は原則として65歳からですが、希望すれば60歳~64歳の間でも繰り上げて年金を受けることができます(繰り上げ支給)。しかし、年金を受けようとする年齢によって、一定の割合で年金額が減額され、一度繰り上げ請求をすると、65歳になっても年金額が元に戻ることはなく、生涯減額された年金を受けることになります。
また希望をすれば、66歳以降からでも受けることができ、受給開始年齢により一定の割合で年金額が増額されます(繰り下げ支給)。
★ 繰り上げ・繰り下げ支給とも以下のような制限がありますのでご注意ください。
繰り上げ支給
① 寡婦年金、事後重症などの障害基礎年金は受けられません。
② 特別支給の老齢厚生(退職共済)年金は支給停止になります。ただし、生年月日が昭和16年4月2日以後の人は一定の額が減額されますが、併給できます。
③ 遺族厚生(遺族共済)年金とは65歳まで選択になります。
④ 厚生年金、共済組合に加入すると支給停止になります。(昭和16年4月1日以前生まれの人が対象)
⑤ 請求後は、高齢任意加入ができません。
⑥ 一度繰り上げ請求すると取り消すことができません。
繰り下げ支給
① 厚生年金の加入期間がある人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り下げ請求をしなければなりません。(昭和12年4月1日以前生まれの人が対象)
② 振替加算も同時に繰り下げになります。
③ 65歳に達したとき、または達した日以降に老齢・退職を支給事由とするもの以外(例えば遺族厚生年金)の受給権を得た場合、繰り下げ請求はできません。
裁定請求の手続き
年金は請求しないともらえません
詳しくは宇都宮東年金事務所 お客様相談室 028-683-3211 音声案内 ①→②へお問い合わせください。