○市貝町地域支援事業実施要綱
平成29年2月17日
告示第13号
目次
第1章 総則(第1条~第13条)
第1節 目的及び趣旨並びに事業の種類(第1条~第5条)
第2節 事業の実施方法(第6条)
第3節 事業の実施主体(第7条~第12条)
第4節 事業の利用料(第13条)
第2章 地域支援事業の事業構成及び事業内容(第14条~第15条の4)
第1節 事業構成(第14条)
第2節 事業内容(第15条~第15条の4)
第3章 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)(第16条~第20条)
第1節 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)(第16条~第19条)
第2節 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)の実施に際しての留意事項(第20条)
第4章 包括的支援事業(社会保障充実分)(第21条~第25条)
第1節 在宅医療・介護連携推進事業(第21条)
第2節 生活支援体制整備事業(第22条)
第3節 認知症総合支援事業(第23条~第24条)
第4節 地域ケア会議推進事業(第25条)
第5章 任意事業(第26条)
附則
第1章 総則
第1節 目的及び趣旨並びに事業の種類
(目的及び趣旨)
第1条 地域支援事業は、被保険者が要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)となることを予防し、社会に参加しつつ、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とし、地域における包括的な相談及び支援体制、多様な主体の参画による日常生活の支援体制、在宅医療と介護の連携体制及び認知症高齢者への支援体制の構築等を一体的に推進するものとする。
(事業構成及び事業内容)
第2条 介護予防・日常生活支援総合事業は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の45第1項に規定する介護予防・日常生活支援総合事業をいう(以下「総合事業」という。)。
2 事業構成及び事業内容は、第2章の規定によるものとする。
第3条 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)は、法第115条の46第1項に規定する包括的支援事業のうち法第115条の45第2項第4号から第6号までに掲げる事業を除く(以下同じ。)ものとする。
2 事業構成及び事業内容は、第3章の規定によるものとする。
第4条 包括的支援事業(社会保障充実分)は、包括的支援事業のうち在宅医療・介護連携推進事業、生活支援体制整備事業、認知症総合支援事業及び地域ケア会議推進事業(法第115条の45第2項第4号から第6号までに掲げる事業及び同項第3号を効果的に実施するために、法第115条の48第1項に基づき設置される会議(以下「地域ケア会議」という。)を開催する事業をいう(以下同じ。)。
2 事業構成及び事業内容は、第4章の規定によるものとする。
第5条 任意事業は、法第115条の45第3項各号に掲げる事業をいう(以下同じ。)。
2 事業構成及び事業内容は、第5章の規定によるものとする。
第2節 事業の実施方法
(実施方法)
第6条 地域支援事業は、法、介護保険法施行令(平成10年政令第412号。以下「政令」という。)、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施を図るための指針(平成27年厚生労働省告示第196号。以下「実施指針」という。)の規定及び介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて(平成27年6月5日老発0605第5号厚生労働省老健局長通知)以下「ガイドライン」という。)によるほか、この実施要綱の定めるところによる。
2 地域支援事業の実施に当たっては、高齢者のニーズや生活実態に基づいて総合的な判断を行い、高齢者に対し、自立した日常生活を営むことができるよう、継続的かつ総合的なサービスが提供されるよう実施するものとする。
3 地域包括支援センター(法第115条の46第1項に規定する地域包括支援センターをいう。以下同じ。)は地域包括ケアを有効に機能させるために、保健師、主任介護支援専門員、社会福祉士等の各々の専門職の知識を活かしながら、常に情報を共有し、互いに業務の理念、基本的な骨格を理解した上で、連携・協働の体制を作り、業務全体を「チーム」として支えていくものとする。
4 地域包括支援センターは、法第115条の46第7項の規定により、地域での各種サービス、保健・医療・福祉の専門職、専門機関相互の連携、ボランティア等の住民活動等インフォーマルな活動を含めた、地域における様々な社会資源の有効活用を図り、次の各号の規定に留意しながら、ネットワークを構築していくものとする。
(1) 地域支援事業の円滑な実施、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保する観点から、地域包括支援センター運営協議会等を積極的に活用するものとする。
(2) 町は、委託型の地域包括支援センターを設置する場合には、法第115条の47第1項の規定により、運営方法を示さなければならない。この場合、省令第140条の67の2の各号の規定を勘案し、次に掲げる内容を示すものとする。
ア 地域包括ケアシステムの構築方針
イ 生活圏域ごとのニーズに応じて重点的に行うべき業務に関する方針
ウ 介護事業者・医療機関・民生委員・ボランティア等の関係者とのネットワーク構築の方針
エ 第1号介護予防支援事業の実施方針
オ 介護支援専門員に対する支援・指導の実施方針
カ 地域ケア会議の運営方針
キ 町との連携方針
ク 公正・中立性確保のための方針
ケ その他、町が独自に定める地域の実情に応じた具体的な方針
5 町は、過去に国庫補助金等から一般財源化された事業(「介護予防・地域支え合い事業における一般財源化された事業について」(平成23年10月21日付け事務連絡)に掲載のある次の事業を地域支援事業として実施することができる。
(1) 生きがい活動支援通所事業
(2) 緊急通報体制等整備事業
(3) 外出支援サービス事業
(4) 寝具類等洗濯乾燥消毒サービス事業
(5) 軽度生活援助事業
(6) 訪問理美容サービス事業
(7) 日常生活用具給付等事業
(8) 高齢者に関する介護知識・技術等普及促進事業
(9) 福祉用具・住宅改修研修事業
(10) 福祉用具・住宅改修活用広域支援事業
(11) サービス事業者振興事業
(12) 高齢者自身の取り組み支援事業
(13) 高齢者訪問支援活動推進事業
第3節 事業の実施主体
(事業の実施主体)
第7条 町は事業の実施主体となり、その責任の下に地域支援事業を実施するものとする。
2 町は、前項の規定に関わらず、地域の実情に応じ、利用者、サービス内容及び利用料の決定を除き、包括的支援事業の実施について、適切、公正、中立かつ効率的に実施することができると認められる次の法人若しくは団体に事業の委託をすることができる。
(1) 町社会福祉協議会
(2) 社会福祉法人等
(3) 一部事務組合若しくは広域連合を組織する市町
(4) 医療法人
(5) 当該事業の実施を目的に設立された民法法人
(6) 特定非営利活動法人
(7) その他町が適当と認める法人
3 町は、包括的支援事業(包括支援センターの運営)を委託する場合には、包括的支援事業の実施に係る方針を示した上で、その全てについて一括して行わなければならない。
4 町は、包括的支援事業(社会保障充実分)の実施については、地域包括支援センター以外に委託することができるものとし、その場合、地域の実情に応じて定める実施要綱によるものとする。
(総合事業の委託)
第8条 町は、地域の実情に応じ、利用者、サービス内容及び利用料の決定を除き、総合事業について、省令第140条の69に規定する基準に適合する者(第1号介護予防支援事業(法第115条の45第1項第1号ニに規定する第1号介護予防支援事業をいう。以下同じ。)については、地域包括支援センターの設置者に限る。)に対して、事業の実施を委託することができるものとする。
2 総合事業のうち、介護予防・生活支援サービス事業(法第115条の45第1項第1号に規定する第1号事業をいう。以下同じ。)については、町が事業者を指定して実施することができるものとする。
2 総合事業における受託者に対する費用の審査・支払に係る事務は、国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)に委託することができる。
(住所地特例)
第10条 法第13条第3項に規定する住所地特例適用被保険者に対する地域支援事業は、法第115条の45第1項により、町が実施するものとする。ただし、転居前の市町村(以下「保険者市町村」という。)が行うことを妨げない。
(秘密の保持)
第11条 地域包括支援センターの設置者(法人である場合は、その役員)若しくはその職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(総合事業の実施協力)
第12条 町は、保健所その他の関係行政機関、医師会、歯科医師会その他の保健医療関係団体、社会福祉協議会その他の福祉関係団体、介護関係事業者その他の民間事業者、ボランティアを含む地域住民等の協力を得て推進するものとする。
第4節 事業の利用料
(利用料)
第13条 町及び地域支援事業の受託者又は第1号事業の指定事業者(介護予防・日常生活支援総合事業の実施にあたり、町が別に定める人員、設備及び運営に関する基準に適合したものとして指定する事業者をいう。以下同じ。)は、地域支援事業の利用者に対し、介護予防把握事業に係る費用を除いて利用料を請求することができる。
2 町は、利用料に関する事項について、地域の実情や各事業の内容に応じて決定するものとする。この場合、予防給付及び総合事業との均衡等を勘案し、適切に設定するものとする。
3 町が地域支援事業の実施について委託する場合は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第210条に規定する「総計予算主義」の原則を踏まえ、委託料と利用料をそれぞれ予算に計上しなければならない。
第2章 地域支援事業の事業構成及び事業内容
第1節 事業構成
(地域支援事業の構成)
第14条 地域支援事業の構成は、次のとおりとする。
(1) 総合事業
ア 介護予防・生活支援サービス事業
(ア) 訪問型サービス(第1号訪問事業)
(イ) 通所型サービス事業(第1号通所事業)
(ウ) その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)
(エ) 介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)
イ 一般介護予防事業
(ア) 介護予防把握事業
(イ) 介護予防普及啓発事業
(ウ) 地域介護予防活動支援事業
(エ) 一般介護予防評価事業
(オ) 地域リハビリテーション活動支援事業
(2) 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)
ア 介護予防ケアマネジメント業務(第1号介護予防支援事業)
イ 総合相談支援事業
ウ 権利擁護業務
エ 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
(3) 包括的支援事業(社会保障充実分)
ア 在宅医療・介護連携推進事業
イ 生活支援体制整備事業
ウ 認知症総合支援事業
エ 地域ケア会議推進事業
(4) 任意事業
ア 介護給付等費用適正化事業
イ 家族介護支援事業
ウ その他事業
第2節 事業内容
(総合事業)
第15条 総合事業は、要支援者等に対して必要な支援を行う法第115条の45第1項第1号に規定する第1号事業(以下「介護予防・生活支援サービス事業」という。)と住民主体の介護予防活動の育成及び支援等を行う法第115条の45第1項第2号に規定する事業(以下「一般介護予防事業」という。)をいう。
2 総合事業は、従来、介護予防訪問介護及び介護予防通所介護(以下「旧介護予防訪問介護等」という。)により提供されていた専門的なサービスに加え、住民主体の支援等の多様なサービス、一般介護予防事業の充実を図り、町の独自施策や市場において民間企業により提供される生活支援サービスも活用することにより、要支援者等の能力を最大限にいかしつつ、要支援者等の状態等に応じたサービスが選択できるよう配慮するものとする。
3 前項に規定するサービスを新たに利用する要支援者等については、住民主体の支援等の多様なサービスの利用が可能となるよう体制を整えた上で、その利用促進を図るものとし、次の事業を実施するものとする。
(1) 介護予防・生活支援サービス事業(法第115条の45第1項第1号に規定する事業)
ア 総則
(ア) 目的
a 介護予防・生活支援サービス事業は、要支援者等に対して、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止及び地域における自立した日常生活の支援を実施することにより、一人ひとりの生きがいや自己実現のための取組を支援し、活動的で生きがいのある生活や人生を送ることができるように支援することを目的として実施する。
b 要支援者等の多様な生活支援のニーズに対して、旧介護予防訪問介護等により提供されていた専門的なサービスに加え住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とし、地域の支え合いの体制づくりを推進することを目的とする。
c 本事業の目的を達成するため、事業の実施に際しては、法第115条の45第1項第1号ニに規定する第1号介護予防支援事業(以下「介護予防ケアマネジメント」という。)により、個々の要支援者等の心身の状況、その置かれている環境その他の状況(以下「心身の状況等」という。)に応じて、要支援者等の選択に基づき、適切な事業を包括的に実施するものとする。
d 介護予防・生活支援サービス事業は、介護サービス事業者、ボランティア、地縁組織、NPO法人、民生委員、シルバー人材センター等、地域における多様な主体を積極的に活用するとともに、公民館、自治会館、保健センター等、地域の多様な社会資源を積極的に活用しながら実施するものとする。
(イ) 介護予防・生活支援サービス事業の構成
介護予防・生活支援サービス事業は、法第115条の45第1項第1号イに規定する第1号訪問事業(以下「訪問型サービス」という。)、同号ロに規定する第1号通所事業(以下「通所型サービス」という。)、同号ハに規定する第1号生活支援事業(以下「その他生活支援サービス」という。)及び介護予防ケアマネジメントとする。
(ウ) 対象者
法第115条の45第1項第1号に規定する居宅要支援被保険者等(居宅要支援被保険者及び省令第140条の62の4第2号の規定に基づき、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第197号)に掲げる様式第1(以下「基本チェックリスト」という。)の記入内容が同基準様式第2号に掲げるいずれかの基準に該当した者(以下「事業対象者」という。))を対象に実施する。(基本チェックリストについては、別添3を参照。)
(エ) サービス提供の方法
a 町の職員が直接要支援者等に対して支援等を実施するもの
b 町が、法第115条の47第4項の規定により、省令第140条の69に規定する基準に適合する者に対して総合事業の実施を委託して実施するもの
c 法第115条の45の3第1項に基づき、町長が指定した事業者が要支援者等にサービスを提供した場合に、その要した費用について当該要支援者等に対して第1号事業支給費を支給するもの
d 地域において活動しているNPO法人やボランティア等に対して、要支援者等に対するサービス提供等を条件として、その立ち上げ経費や活動に要する費用に対して補助(助成)することにより事業を実施するもの
(オ) サービスの留意点
a (エ)bの介護予防・生活支援サービス事業の委託に当たっては、法第115条の45第1項第1号イからニまでを省令第140条の62の3第2項に規定する基準に基づき、実施するものとする(他の実施方法においても同様。)。
c (エ)cにおける指定事業者の指定有効期間は、省令第140条の63の7に基づき、給付における指定期間が6年であることを勘案して町が定める。なお、町境に所在する事業所等を他市町の被保険者が利用する場合には、他市町による事業者の指定について配慮しなければならない。
d 事業者が指定の申請をする際に提出する際の申請書又は書類については、町が別に定める。
e 第1号事業支給費は、指定事業者に対しては国保連合会を経由して支払うことができる。
f (エ)dによる補助(助成)の方法で事業を実施する場合における経費は次のとおりとする。
(a) 立ち上げに係る経費
(b) 活動場所の借り上げの経費
(c) 光熱水費、サービスの利用調整を行う人件費などの間接的な費用等
g fにおける事業実施に係る経費のうち、次に掲げるものは対象としない。
(a) ボランティアがサービスを提供する場合の人件費
(b) 軽微な改修を除く施設の整備費用
(c) 要支援者等に対する支援等と直接関係のない従業員の募集・雇用に要する費用及び広告・宣伝に要する費用
h gにおける事業の実施において、住民主体の自主的な取組や活動を阻害しないよう、過去に国庫補助金等から一般財源化された事業がある場合には、その事業も含めて実施することができる。
(カ) 人員・設備・運営基準
a 旧介護予防訪問介護等に相当するサービスに係る基準は、省令第140条の63の6第1号イに規定する平成30年度介護報酬改定前の指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等にかかる介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第35号。以下「旧介護予防サービス等の基準」という。)に規定する旧介護予防訪問介護等に係る規定の例により、町が定める基準による。なお、町が当該基準を定める際には、以下の点に留意するものとする。
(a) 訪問介護において創設される生活援助従事者研修の終了者について、総合事業の訪問型サービスにおいても従事することを可能とする
(b) サービス提供責任者のうち、初任者研修課程修了者及び旧2級課程修了者は任用要件から廃止するものとする
(c) 訪問型サービスの現場での利用者の口腔に関する問題や服薬状況等に係る気付きをサービス提供責任者から町地域包括支援センター等のサービス関係者に情報共有することについて、サービス提供責任者の責務とすること
(d) 訪問型サービス事業者は、町地域包括支援センターの介護予防ケアマネジメント実施者に対して、自身の事業所のサービス利用に係る不当な働きかけを行ってはならないこと
(e) 通所型サービスにおける機能訓練指導員については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有するはり師、きゅう師を対象に含むものとすること
b 旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外の指定事業者等によるサービスに係る人員・設備・運営の基準については、地域の実情に応じて町が定める。なお、町が当該基準を定める際に、法令により必ず遵守すべき事項については、以下による。
(a) 従事者の清潔の保持・健康状態の管理
(b) 従事者又は従事者であった者の秘密保持等
(c) 事故発生時の対応
(d) 廃止・休止の届出と便宜の提供
(キ) 単価
a 指定事業者による実施の場合の単価は次によるものとする。
(a) 旧介護予防訪問介護等に相当するサービスに係る第1号事業支給費の額(以下「サービス単価」という。)は、町において国が定める額(旧介護予防訪問介護等に係る単価(以下「介護予防訪問介護等の単価」という。))(別添1に定める単位。以下同じ。)を上限として、訪問介護員等による専門的サービスであること等を踏まえ、地域の実情に応じて定めるものとする。
(b) 町は、別添1のとおり、月当たりの包括単位とするほか、旧介護予防訪問介護等に相当するサービスや旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外の指定事業者等によるサービスを組み合わせながら、自立支援につなげられるよう、利用1回ごとの単価を定めることができる。ただし、この場合には、月の合計単位が包括単位以下としなければならない。
(c) 旧介護予防訪問介護等に相当するサービスの加算・減算については、別添1に定める加算・減算について算定することができるものとし、その算定要件は、旧介護予防訪問介護等の例によるものとする。
(d) 旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外の指定事業者によるサービスについては、別添1に定める加算・減算以下の単位を定めることができるほか、町独自で加算・減算を定めることができる。なお、町独自で加算を定める場合にあっては、加算も含めて介護予防訪問介護等の単価以下としなければならない。
(e) 旧介護予防訪問介護等に相当するサービスに係る1単位当たりの単価は、介護給付の訪問介護及び通所介護の地域区分の1単位当たりの単価とする。また、旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外の指定事業者によるサービスに係る1単位当たりの単価は、旧介護予防訪問介護等に相当するサービスに係る1単位当たりの単価又は10円とする。
b 町は、aの指定事業者による実施との整合性の観点から、直接実施における費用の額、委託実施における委託費、補助(助成)実施における補助額の設定にあたっては、それぞれの利用者見込み数で除して得た額が、介護予防訪問介護等の単価以下の額(利用者数に応じて設定する単価にあっては、利用者1人当たりの単価が介護予防訪問介護等の単価以下の額)となるようにしなければならない。ただし、保健・医療の専門職により提供される3~6か月の短期間で行われるサービスについては、この限りではない。
(ク) 利用者負担のサービス内容・時間・基準等
a 住民主体の支援等、事業への補助の形式で実施されるサービスは、当該支援の提供団体の自主性に鑑み、町との協議において当該支援の提供主体が定めることができるものとする。
b 旧介護予防訪問介護等に相当するサービスについては、介護給付の利用者負担割合(原則1割、一定所得以上の場合は2割又は3割)等を勘案し町が定めるものとし、その下限は介護給付の利用者負担割合とする。なお、旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外の指定事業者によるサービスの利用者負担についても同様とするが、以下の点に留意するものとする。
(a) 利用者負担は、介護給付と同様に事業費用に対して定率とするほか、1回あたりの定額の負担とすることも可能とする。
(b) 食材料費及び調理費相当分については、介護給付と同様に利用者負担とする。
(c) 指定事業者によって提供されるサービスについては、(サ)に定める高額介護予防サービス費相当事業の対象とする。なお、それ以外のサービスについては、利用料の設定にあたり、低所得者への配慮を行うものとする。
(ケ) 給付管理
a 要支援者が総合事業を利用する場合には、予防給付の区分支給限度額の範囲内で予防給付と総合事業を一体的に給付管理するものとする。ただし、事業対象者については、指定事業者のサービスを利用する場合にのみ、原則給付管理を行うものとする。
b aの限度額管理については、次の点に留意して町が定める。
(a) 事業対象者について給付管理を行う際は、予防給付の要支援1の区分支給限度額を目安に行うものとする。
(b) 退院直後で集中的にサービスを利用することが自立支援につながると考えられるケース等、利用者の状態によって、区分支給限度額を超える場合においては、要支援2の区分支給限度額を上限とする。
(コ) 住所地特例適用被保険者に係る費用負担
住所地特例適用被保険者がそのサービスを利用した場合には、事業費を負担するものとする。なお、事業費は、次に掲げるものとする。
a (エ)cに定める指定事業者による提供サービス。なお、この事業費は、国保連合会を通じて行うことを原則とする。
b イ(エ)に定める介護予防ケアマネジメントに要する費用額。なお、この事業費は、国保連合会の一括した財政調整の仕組みを利用して行うものとする。
(サ) 高額介護予防サービス費相当事業
a 総合事業によるサービス利用に係る利用者負担の家計に与える影響を考慮し、高額介護予防サービス費に相当する事業を実施することができる。
b 対象とするサービスは、(エ)cに定める指定事業者によるサービスとする。
c 被保険者が給付と事業の両方を利用している場合は、法第51条又は法第61条に基づく給付の高額介護(予防)サービス費の支給を算定した後、高額介護予防サービス費相当の事業による支給を算定することとし、高額介護(予防)サービス費の支給計算にあたって、事業の利用による影響は与えない。なお、給付における高額介護(予防)サービス費との一体実施の観点から、所得判定及び自己負担限度額等は給付と同様に設定するものとする。
d 住所地特例対象被保険者については、町が行うものとする。
(シ) 高額医療合算予防サービス費相当事業は、次によるものとする。
a 医療保険の自己負担額を合算した額を考慮した高額医療合算介護予防サービス費に相当する事業を実施することができる。
b 対象となるサービスは、(エ)cに定める指定事業者によるサービスとする。
c 町は、被保険者が給付と事業の両方を利用している場合は、法第51条の2又は法第61条の2に基づく給付の高額医療合算介護(予防)サービス費の支給を算定した後、高額医療合算介護予防サービス費相当の事業による支給を算定することとし、高額医療合算介護(予防)サービス費の支給計算にあたって、事業の利用による影響は与えないことに留意しなければならない。なお、給付における高額医療合算介護(予防)サービス費との一体実施の観点から、所得判定及び自己負担限度額等は給付と同様に設定するものとする。
d 住所地特例適用被保険者に対する事業は、(サ)dと同様、町が行う。
(ス) 生活保護法における介護扶助、原子爆弾被爆者に対する公費助成、障害給付における介護優先の取扱いについては別途、ガイドラインを参照するものとする。
イ 各論
町は、要支援者等の多様な生活支援のニーズに対して、総合事業により多様なサービスを提供していくため、地域の実情に応じて、総合事業によるサービスを類型化し、それに合わせた基準や単価を定める。ただし、旧介護予防訪問介護等との整合性の観点から、訪問型サービス及び通所型サービスのサービスの内容は、保健・医療の専門職により提供される3~6か月の短期間で行われるサービスを除いて、旧介護予防訪問介護等のサービス内容の範囲内で実施するものとする。
(ア) 訪問型サービスは、次の5つのサービス類型とする。
a 旧介護予防訪問介護に相当するサービス(以下「訪問介護員等によるサービス」という。)
(a) このサービスは、次の3つのサービスをいう。
(i) 省令第140条の63の6第1号イに規定するサービス(旧介護予防訪問介護に相当するサービス)
(ii) 省令第140条の63の6第1号ロに規定するサービス(旧介護予防訪問介護における基準該当サービスに相当するサービス)
(iii) 省令第140条の63の6第1号ハに規定するサービス(旧介護予防訪問介護における離島等におけるサービスに相当するサービス)
(b) 対象となるサービスは、要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、訪問介護員等により行われる入浴、排せつ、食事等の身体介護や生活援助を行うものとし、短時間の身体介護サービスも含むものとする。
(c) 実施方法は、ア(エ)cに定める事業者指定の方法とする。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)aによる。
(e) 単価は、ア(キ)aによる。
b 主に雇用されている労働者により提供される、旧介護予防訪問介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス(以下「訪問型サービスA」という。)は、次のものをいう。
(a) 省令第140条の63の6第2号に規定する基準又は町の定める基準に基づき、実施指針2の4(1)に規定する主に雇用されている労働者により提供される旧介護予防訪問介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス。
(b) サービスの内容は、要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、主に雇用される労働者(訪問介護員又は一定の研修受講者)が行う生活援助等のサービス。「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日老計第10号)等旧介護予防訪問介護等のサービス内容の範囲内で、利用者の状態や地域の実情に応じたものとし、例としては次のようなものをいう。
(例)
・ 調理、清掃等やその一部介助
・ ゴミの分別やゴミ出し
・ 重い物の買い物代行や同行
(c) 実施方法は、原則として、ア(エ)bに定める委託又は同c(c)に定める事業者指定による方法とする。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
(e) 単価は次のとおりとする。
(i) 事業者指定による場合は、ア(キ)aによる。
(ii) 委託による場合には、ア(キ)bにより町が定める金額とする。ただし、事業の実施にあたっては、利用者1人当たりに要する費用が、国で定める上限単価を上回らないよう事業を計画して実施するものとする。
c 有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援(以下「訪問型サービスB」という。)は、次のものをいう。
(a) 町の定める基準に基づき、実施指針第2の4(1)に規定する有償・無償ボランティア等により提供される住民主体による支援
(b) 支援の内容は、要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、主に住民ボランティア等、住民主体の自主活動として行う生活援助等の多様な支援で、例としては次のようなものをいう。
(例)
・ 買い物代行、調理、ゴミ出し、電球の交換
・ 布団干し、階段の清掃
(c) この事業の実施に当たっては、多様な高齢者の生活上の困りごとへの支援を柔軟に行う必要があり、また、住民相互による支え合いの支援を基本とする観点から、積極的に地域の高齢者自身が支援の担い手として参加できるような取組を行うものとする。
(d) 実施方法は、原則としてア(エ)dに定める補助(助成)による方法とする。
(e) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
d 保健・医療の専門職により提供される3~6か月の短期間で行われるサービス(以下「訪問型サービスC」という。)は次のものをいう。
(a) 町の定める基準に基づき、実施指針第2の4(1)に規定する保健・医療の専門職により提供される支援で、3~6か月の短期間で行われるサービス。
(i) 閉じこもり等の心身の状況のために通所による事業への参加が困難で、訪問による介護予防の取り組みが必要と認められる者を対象に、保健・医療専門職がその者の居宅を訪問して、その生活機能に関する問題を総合的に把握、評価し、社会参加を高めるために必要な相談・指導等を実施する短期集中予防サービス。
(ii) 当該サービスにおいては、サービス終了後も引き続き活動や参加が維持されるよう、地域の通いの場や通所型サービス等、社会参加に資する取り組みに結びつくよう配慮しなければならない。
(iii) 当該サービスは、効果的な取り組みができると判断される場合には、通所型サービスCと組み合わせて実施することができる。
(iv) 当該サービスにおける保健・医療の専門職とは、保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等をいう。
(b) 実施方法は、ア(エ)aに定める直接実施又は同bに定める委託による方法とする。
(c) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる
(d) 単価については、サービスの内容に応じ、町が適切な単価の設定を行うものとする。なお、当該サービスについては、保健・医療の専門職が関与することを鑑み、別添1に規定する国が定める単位を上限とするものではない。
(e) 町は次の項目に留意しながら事業を行うものとする。
(i) 訪問型サービスCは、保健・医療専門職による短期集中予防サービスであることから、実績を確認しながら効果的かつ効率的な事業運営に努めるものとする。
(ii) 対象者自身が自身の生活機能の低下等について自覚を持ち、介護予防に意欲的に取組めるよう支援するものとする。
(iii) 対象者がしたい又はできるようになりたい生活行為を、興味・関心チェックシート(別添4)等を活用し、具体的な目標として明確化するものとする。
(iv) 個別的な支援を中心とする短期集中予防のサービスであることから、3か月を経過した時点で評価を行うためのサービス担当者会議等を行い、サービス終了後も引き続き社会参加に資する取組みが維持されるよう配慮するものとする。
(v) (iv)における担当者会議等において、サービスの継続が生活行為の改善に効果的であると判断された場合には、最大6か月までサービスを継続することができるものとする。
(vi) サービス終了後は、余暇やボランティア活動、地域の通いの場等の社会参加、一般介護予防事業、通所型サービスB等の社会参加に資する取組を継続できるよう配慮するものとする。
(vii) 町は、生活機能が低下した場合に再び相談できるよう体制を整備するものとする。
e 介護予防・生活支援サービス事業と一体的に行われる移動支援や移送前後の生活支援(以下「訪問型サービスD」という。)は、次のものをいう。
(a) 町の定める基準に基づき、実施指針第2の4(1)に規定する介護予防・生活支援サービス事業と一体的に行われる移動支援や移送前後の生活支援
(b) サービスの内容は、次のものとする。
(i) 通院等をする場合における送迎前後の付き添い支援
(c) 実施方法は、訪問型サービスBに準じる。
(d) 人員・設備・運営基準は、訪問型サービスBに準じる。
(e) 単価は、訪問型サービスBに準じる。なお、(b)(i)に関する支援は、移送に係る直接経費は対象外とし、利用調整に係る人件費等の間接経費のみを対象とする。
(f) (b)(ii)の支援の対象経費は、間接経費のほか、ガソリン代等送迎に係る実費、車両購入費等に対する補助等、具体的な対象経費については、費用の効率性の観点から町が別に定める。
(イ) 通所型サービスは、次の4つのサービス類型とする。
a 旧介護予防通所介護に相当するサービス(以下「通所介護事業者の従事者によるサービス」をいう。)
(a) このサービスは、次の3つのサービスをいう。
(i) 省令第140条の63の6第1号イに規定するサービス(旧介護予防通所介護に相当するサービス)
(ii) 省令第140条の63の6第1号ロに規定するサービス(旧介護予防通所介護における基準該当サービスに相当するサービス)
(iii) 省令第140条の63の6第1号ハに規定するサービス(旧介護予防通所介護における離島等におけるサービスに相当するサービス)
(b) サービスの内容は、要支援者等について、介護予防を目的として、施設に通わせ、当該施設において、一定の期間、入浴、排せつ、食事等の介護等の日常生活上の支援及び機能訓練を行うものとする。
(c) 実施方法は、ア(エ)cに定める事業者指定の方法による。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)aによる。
(e) 単価は、ア(キ)aによる。
b 主に雇用されている労働者により又は労働者とともにボランティアが補助的に加わった形により提供される旧介護予防通所介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス(以下「通所型サービスA」という。)は、次のものをいう。
(a) 省令第140条の63の6第2号に規定する基準又は町の定める基準に基づき、実施指針第2の4(2)に規定する主に雇用されている労働者により又は労働者とともにボランティアが補助的に加わった形により提供される旧介護予防通所介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス
(b) 高齢者の閉じこもり予防や自立支援に資する通所事業で、例としては次のようなものをいう。
(例)
・ ミニデイサービス
・ 運動、レクリエーション活動
(c) 実施方法は、原則としてア(エ)bに定める委託又は同cに定める事業者指定による方法とする。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
(e) 単価は、(ア)b(e)に準じる。
c 有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援(以下「通所型サービスB」という。)は、次のものをいう。
(a) 町の定める基準に基づき、実施指針第2の4(2)に規定する有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援
(b) 支援の内容は、住民主体による要支援者等を中心とした定期的な利用が可能な自主的な通いの場づくりで、例としては次のようなものをいう。
(例)
・ 体操、運動等の活動
・ 趣味活動等を通じた日中の居場所づくり
・ 定期的な交流会、サロン
・ 会食
なお、通所型サービスBは、障害者や子ども、要支援者等以外の高齢者等も加わる形(共生型)での実施、通所型サービスBとしての送迎の実施、(ア)e(b)(ii)に定める訪問型サービスDと組み合わせ、送迎を別主体が実施する形態も可とする。
(c) 実施方法は、原則として、ア(エ)dに定める補助(助成)による方法とする。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
d 保健・医療の専門職により提供される3~6か月の短期間で行われるサービス(以下「通所型サービスC」という。)は、次のものをいう。
(a) 町の基準に基づき、実施指針第2の4(2)に規定する保健・医療の専門職により提供される支援で、3~6か月の期間で行われるサービス
(b) サービスの内容は、個人の活動として行う排せつ、入浴、調理、買物、趣味活動等の生活行為に支障のある者を対象に、保健・医療の専門職が、居宅や地域での生活環境を踏まえた適切な評価のための訪問をした上で、おおよそ週1回以上、生活行為の改善を目標とした効果的な介護予防プログラムを実施するものとし、次の点に留意するものとする。
(i) サービスの提供の際、単に高齢者の運動機能や栄養といった心身機能にだけアプローチするのではなく、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチを含めたバランスのとれたものとし、サービス利用の結果、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加につなげるよう留意するものとする。
(ii) サービスの終了後も引き続き活動や参加が維持されるよう、地域の通いの場等への参加に結びつくよう配慮するものとする。
(iii) 効果的な取り組みができると判断される場合には、訪問型サービスCと組み合わせて実施することができるものとする。
(iv) 当該サービスにおける保健・医療専門職とは、保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等をいう。
(c) 実施の方法は、ア(エ)aに定める直接実施又は同bに定める委託による方法とする。
(d) 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
(e) 単価については、サービスの内容に応じ、町が適切な設定をするものとする。なお、当該サービスについては、保健・医療の専門職が関与することを鑑み、別添1に規定する国が定める単価を上限とするものではない。
(f) 町は次の項目に留意しながら事業を行うものとする。
(i) 通所型サービスCは、保健・医療専門職による短期集中予防サービスであることから、実績を確認しながら効果的かつ効率的な事業運営に努めるものとする。
(ii) 対象者自身が自身の生活機能の低下等について自覚を持ち、介護予防に意欲的に取り組めるように支援するものとする。
(iii) 対象者がしたい又はできるようになりたい生活行為を、興味・関心チェックシート(別添4)等を活用し、具体的な目標として明確化するものとする。
(iv) 居宅を訪問し、支障をきたしている生活行為の原因を、居宅や地域での生活環境を踏まえ、適切にアセスメントし、課題の抽出をするものとする。
(v) 支障をきたしている生活行為の改善のための運動器の機能向上・栄養改善・口腔機能向上等のプログラム、ADLやIADLの動作練習、集団的に取り組むことにより効果を増す介護予防教育等を必要に応じて組み合わせて実施するものとする。この場合、適切な段階において居宅を訪問しADLやIADLの実施状況をモニタリングするものとする。
(vi) 個別的な支援を中心とする短期集中予防サービスであることから、3か月を経過した時点で評価を行うためのサービス担当者会議等を開催し、サービス終了後も引き続き社会参加に資する取組が維持されるよう配慮するものとする。
(vii) (iv)における担当者会議等において、サービスの継続が生活行為の改善に効果的であると判断された場合には、最大6か月までサービスを継続することができるものとする。
(viii) サービス終了後は、余暇やボランティア活動、地域の通いの場等の社会参加、一般介護予防事業、通所型サービスB等の社会参加に資する取組を継続できるよう配慮するものとする。
(ix) 町は、生活機能が低下した場合再び相談ができるよう体制を整備するものとする。
(ウ) その他生活支援サービス
a このサービスは、法第115条の45第1号ハに規定するサービスをいう。
b サービスの内容は、要支援者等の地域における自立した日常生活の支援のための事業であり、訪問型サービスや通所型サービスと一体的に行われる場合に効果があると認められるものとし、次のようなサービスをいう。
(a) 栄養改善を目的とした配食や一人暮らし高齢者に対する見守りとともに行う配食等
(b) 定期的な安否確認及び緊急時の対応、住民ボランティア等が行う訪問による見守り
(c) その他、訪問型サービス及び通所型サービスの一体的提供等地域における自立した日常生活の支援に資するサービスとして町が定める生活支援
c 実施方法は、原則として、ア(エ)aに定める町による直接実施、同bに定める委託又は同dに定める補助(助成)によるものとする。
d 人員・設備・運営基準は、ア(カ)bによる。
e 単価は、町がサービスの内容に応じて適切に定める。
(エ) 介護予防ケアマネジメント
a この事業は、法第115条の45第1号ニに規定するサービスをいう。
b 介護予防ケアマネジメントは、要支援者等から依頼を受けて、介護予防及び日常生活支援を目的として、その心身の状況、置かれている環境その他の状況に応じて、その選択に基づき、訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービスのほか、一般介護予防や町の独自施策、市場において民間企業により提供される生活支援サービスも含め、要支援者等の状態等にあった適切なサービスが包括的かつ効率的に提供されるよう必要な援助を行う事業とする。
c 基本的な考え方は、次のとおりとする。
(a) 介護予防ケアマネジメントは、介護予防の目的である「高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐ」「要支援・要介護状態になっても状態がそれ以上に悪化しないようにする」ために、高齢者自身が地域における自立した日常生活を送ることができるよう支援するものであり、基本的なケアマネジメントのプロセスに基づくものであること。
(b) 地域において、高齢者が健康を維持し、改善可能な場合は適切な支援を受けて改善に向かい、医療や介護、生活支援等を必要とする状態になっても住み慣れた地域で暮らし、その生活の質を維持・向上させるためには、高齢者一人ひとりが自分の健康増進や介護予防についての意識を持ち、自ら必要な情報にアクセスするとともに、介護予防、健康の維持・増進に向けた取組を行うことが重要となること。
(c) 介護予防ケアマネジメントは、介護予防支援と同様、地域包括支援センターが要支援者等に対するアセスメントを行い、その状態や置かれている環境等に応じて、目標を設定し、その達成に向けて介護予防の取り組みを生活の中に取り入れ、自ら実施、評価できるよう支援するものであること。
(d) 高齢者自身が、地域で何らかの役割を果たせる活動を継続することにより、日常生活上の何らかの困りごとに対して、心身機能の改善だけではなく、地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような居場所に通い続ける等、「心身機能」「活動」「参加」の視点を踏まえた内容となるよう要支援者等の選択を支援していくことも重要であること。
(e) 介護予防ケアマネジメントについては、適切なアセスメントの実施により、利用者の状況を踏まえた目標を設定し、利用者本人がそれを理解した上で、その達成のために必要なサービスを主体的に利用して、目標の達成に取り組んでいけるよう、具体的に介護予防・生活支援サービス事業等の利用について検討し、ケアプランを作成するものとする。
d 介護予防ケアマネジメントの類型と考え方
介護予防ケアマネジメントのプロセスについては、利用者の状態等に応じた、次の3つの類型をとする。
(a) ケアマネジメントA(介護予防支援と同様のケアマネジメント)は、次のとおりとする。
(i) 主に訪問型サービス又は通所型サービスにおいて指定事業者のサービスを利用するケースや、訪問型サービスC、通所型サービスCを組み合わせた複数のサービスを利用するケース等に対して地域包括支援センターがアセスメント(課題分析)によってケアプラン原案を作成し、サービス担当者会議を経て決定するものとする。
(ii) 利用者との面接によるモニタリングについては、少なくとも3か月毎に行い、利用者の状況等に応じてサービスの変更を行うことが可能な体制をとっておくものとする。
(b) ケアマネジメントB(サービス担当者会議やモニタリングを省略したマネジメント)は、次のとおりとする。
(i) マネジメントAやC以外のケースであり、緩和した基準によるケアマネジメントとして、サービス担当者会議等を省略したものとする。
(ii) アセスメント(課題分析)からケアプラン原案作成までをケアマネジメントAと同様に地域包括支援センターが作成し、間隔をあけて必要に応じてモニタリング時期を設定し、評価及びケアプランの変更等を行う簡略化したケアマネジメントを行う。
(c) ケアマネジメントC(基本的にサービス利用開始時のみ行うケアマネジメント)は、次のとおりとする。
(i) 主にケアマネジメントの結果、事業の実施方法が補助に該当するようなサービスや配食等のその他生活支援サービス又は一般介護予防事業の利用につなげるケースであって、緩和した基準によるケアマネジメントとして、基本的にサービス利用開始時のみ行うものとする。
(i―2) ケアマネジメントの結果、利用者本人が自身の状況、目標の達成等を確認し、住民主体のサービス等を利用する場合に実施するものとする。
(ii) 初回のみ、簡略化したケアマネジメントのプロセスを実施し、ケアマネジメントの結果(「本人の生活の目標」「維持・改善すべき課題」「その課題の解決への具体的対策」「目標を達成するための取組」等を記載)を利用者に説明し、理解を得た上で、住民主体の支援の利用等を継続するものとする。なお、その後は、地域包括支援センターによるモニタリングは行わない。
(iii) 利用者の状況の悪化や、利用者からの相談があった場合に、地域包括支援センターによるケアマネジメントに移行するものとする。
e 実施方法は、原則としてア(エ)aに定める直接実施又は同bに定める委託による方法とする。
f 実施担当者(実施体制)は、次によるものとする。
(a) 介護予防ケアマネジメントは、利用者本人が居住する地域包括支援センターにおいて実施するものとし、次の職種が協働して行うものとする。
(i) 保健師
(ii) 社会福祉士
(iii) 主任介護支援専門員
(iv) 介護支援専門員等の指定介護予防支援業務を行っている職員
(b) 地域包括支援センターは、包括的支援事業全体の円滑な実施を考慮し、介護予防ケアマネジメントの一部を指定居宅介護支援事業所に委託し、当該事業所の介護支援専門員によって実施することができる。
(b―2) 介護予防ケアマネジメントの実施体制は、次のようなものとする。
(i) 地域包括支援センターが、すべての介護予防ケアマネジメントを実施する。
(ii) 居宅介護支援事業所に委託する場合において、初回の介護予防ケアマネジメントは、地域包括支援センターが行い、(1クール終了後の)ケアプランの継続、変更の時点以後は、居宅介護支援事業所が行い、適宜地域包括支援センターが関与する。
(iii) 居宅介護支援事業所が多くのケースについて介護予防ケアマネジメントを行う場合においても、初回の介護予防ケアマネジメント実施時に地域包括支援センターが立ち会うよう努めるとともに、地域ケア会議等を活用しつつ、その全てに関与する。
g 単価については、次のとおりとする。
(a) ケアマネジメントAは、省令第140条の63の2第1号ロに規定する額を単価とし、指定介護予防支援と同様に別添1に定める単価を踏まえて町が定める。
(b) ケアマネジメントBは、別添1の単価を下回る単位を町が定めることができる。
(c) ケアマネジメントCは、初回のみのケアマネジメントとし、サービス提供開始月についてのみ、ケアマネジメントAの単価を踏まえた単価を町が定めるものとし、以降の費用は発生しないものとする。
h 加算・減算はア(キ)a(c)に準じる。
i 実施の手順は、次のとおりとする。
(a) 介護予防ケアマネジメントは、「指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」(平成18年厚生労働省令第37号)の「第4章 介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準」及び「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」(平成27年6月5日厚生労働省老健局振興課長通知)を参照の上、実施するものとする。
(2) 一般介護予防事業
ア 総則
(ア) 目的
a 一般介護予防事業は、町の独自財源で行う事業や地域の互助、民間サービスとの役割分担を踏まえつつ、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、住民主体の通いの場を充実させ、人と人のつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進するとともに、地域においてリハビリテーションに関する専門的知見を有する者を活かした自立支援に資する取組を推進し、要介護状態になっても生きがい・役割をもって生活できる地域を構築することにより、介護予防を推進することを目的とする。
b aにおいて町は、その目的を達成するため、一般介護予防事業を構成する介護予防把握事業、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一般介護予防事業評価事業及び地域リハビリテーション活動支援事業の5事業のうち、必要な事業を組み合わせて、地域の実情に応じて効果的かつ効率的に実施するものとする。
(イ) 対象者は次のとおりとする。
a 町の第1号被保険者全ての者及びその支援のための活動に関わる者を対象とする。ただし、住民主体の通いの場に65歳未満の住民が参加し、ともに介護予防に取組むことを妨げない。
b aにおける介護予防に資する住民主体の通いの場への参加者数は、高齢者人口の概ね1割を目安として、地域の実情に応じて町が定める。
イ 各論
(ア) 介護予防把握事業は、次に掲げる方法等により、地域の実情に応じ、効果的かつ効率的に収集した情報等を活用し、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を早期に把握し、住民主体の介護予防活動へつなげることを目的に実施する。
a 要介護認定及び要支援認定の担当係との連携による把握
b 訪問活動を実施している保健センター、町社会福祉協議会等との連携による把握
c 医療機関からの情報提供による把握
d 民生委員等地域住民からの情報提供による把握
e 地域包括支援センターの総合相談支援業務との連携による把握
f 本人、家族等からの相談による把握
g 特定健康診査等を実施している保健センターとの連携による把握
h その他、何らかの支援を要する者を把握するために訪問を行うなど、町が適当と認める方法による把握
(イ) 介護予防普及啓発事業は、概ね次のようなものとするが、町が介護予防に資すると判断した内容を地域の実情に応じて効果的かつ効率的に実施するものとし、実施に際して、特に必要と認められる場合には、リフトバス等による送迎を行うことができるものとする。
a 介護予防に資する基本的な知識を普及啓発するためのパンフレット等の作成及び配布
b 介護予防に資する基本的な知識を普及啓発するための有識者等による講演会や相談会等の開催
c 介護予防の普及啓発に資する運動、栄養、口腔等に係る介護予防教室等の開催
d 介護予防に関する知識又は情報、各対象者の介護予防事業実施の記録等を管理するための媒体(介護予防手帳等)の配布
(ウ) 地域介護予防活動支援事業は、年齢や心身の状況等によって高齢者を分け隔てることなく、誰でも一緒に参加することのできる介護予防活動の地域展開を目指し、町が介護予防に資すると判断する住民主体の通いの場等の活動を地域の実情に応じて効果的かつ効率的に支援することを目的として実施する。
(ウ)―2 (ウ)において、介護予防に資する住民主体の通いの場は、週1回以上の開催を基本とし、開催箇所数は人口1万人に概ね10か所を目標として、地域の実情に応じて町が定める。なお、以下の内容を組み合わせて支援することができる。
a 介護予防に関するボランティア等の人材を育成するための研修
b 介護予防に資する多様な地域活動組織の育成及び支援
c 要介護者等に対する介護予防に資する介護支援ボランティア活動を行った場合に、当該活動実績を評価した上で、ポイントを付与する活動等、社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動の実施
(エ) 一般介護予防事業評価事業は、次のものをいう。
a 介護保険事業計画において定める目標値の達成状況等の検証を通じ、一般介護予防事業を含め、地域づくりの観点から総合事業全体を評価し、その評価に基づき事業全体の改善を目的とする。
b aにおいて、地域の実情を把握するための調査の実施にあたっては、介護保険事業計画の評価等を行う上で必要な項目を適切に選定し、調査結果に基づいて評価を行い、計画の見直しを行うものとする。また、調査結果については、介護予防普及啓発事業の活用をする等、住民への情報提供に留意しなければならない。
c 実施方法は、事業評価を年度ごとに、別添5の「総合事業の事業評価」により、プロセス評価を中心に実施するとともに、アウトカム指標についても評価に努める。
(オ) 地域リハビリテーション活動支援事業は、次のとおりとする。
a 事業内容は、概ね次のようなものとし、町が地域における介護予防の取組を機能強化する効果があると判断した内容を地域の実情に応じて効果的かつ効率的に実施するよう努めるものとする。
(a) 住民への介護予防に関する技術的助言
(b) 介護職員等(介護サービス事業所に従事する者を含む。)への介護予防に関する技術的助言
(c) 地域ケア会議やサービス担当者会議におけるケアマネジメント支援
a―2 事業の実施に際しては、リハビリテーションに関する専門的知見を有する者が、高齢者の有する能力を評価し、改善の可能性を助言する等、地域包括支援センターと連携しながら、通所、訪問、地域ケア会議、サービス担当者会議、住民運営の通いの場等の介護予防の取組を総合的に支援するものとする。
b 実施担当者は、リハビリテーションの理念を踏まえて、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよくアプローチすることのできる能力を有する以下の者が実施するものとする。
(a) 理学療法士
(b) 作業療法士
(c) 言語聴覚士
(d) その他この事業を実施するための能力を有する者
(包括的支援事業(地域包括支援センターの運営))
第15条の2 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)は、第3章に定めるところによるものとする。
(包括的支援事業(社会保障分))
第15条の3 包括的支援事業(社会保障分)は、第4章の定めるところによるものとする。
(任意事業)
第15条の4 任意事業は、第5章の定めるところによるものとする。
第3章 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)
第1節 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)
(包括的支援事業)
第16条 法第115条の45第1項第1号ニに基づく第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者にかかるものを除く。)は、第15条第3項第1号イ(エ)の介護予防ケアマネジメントとして実施するものとし、その費用については、総合事業として支出するものとする。
2 第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く。)の一部について、指定居宅介護支援事業所に委託ができるものとする。
(総合相談支援業務)
第17条 法第115条の45第2項第1号に基づく総合相談支援業務は、地域の高齢者が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続していくことができるよう、地域における関係者とのネットワークを構築するとともに、高齢者の心身の状況や生活の実態、必要な支援等を幅広く把握し、相談を受け、地域における適切な保健・医療・福祉サービス、機関又は制度の利用につなげる等の支援を行うことを目的とする。
2 事業内容は次によるものとする。
(1) 地域におけるネットワークの構築は、地域包括支援センターが、支援を必要とする高齢者を見い出し、保健・医療・福祉サービスをはじめとする適切な支援へのつなぎ、継続的な見守りを行い、更なる問題発生を防止するため、介護サービス事業者、医療関係者、民生委員、高齢者の日常生活に関する活動に携わるボランティア等、地域における様々な関係者のネットワークの構築を図るものとする。
(2) 高齢者の実態把握は、前号で構築したネットワークを活用するほか、様々な社会資源との連携、高齢者世帯への戸別訪問、同居していない家族や近隣住民からの情報収集等により、高齢者や家族の状況等についての実態把握を行うものとする。
(3) 前号における実態把握は、特に地域から孤立している要介護(支援)者のいる世帯や介護を含めた重層的な課題を抱えている世帯等、支援が必要な世帯を把握し、当該世帯の高齢者や家族への支援につなげることができるよう留意するものとする。
(4) 総合相談支援は、次のとおりとする。
ア 初期段階の相談対応は、本人、家族、近隣の住民、地域のネットワーク等を通じた様々な相談を受けて、的確な状況把握等を行い、専門的・継続的な関与又は緊急の対応の必要性を判断するものとする。
イ アの場合、適切な情報提供を行うことにより、相談者自身が解決することができると判断した場合には、相談内容に即したサービス又は制度に関する情報提供、関係機関の紹介等を行うものとする。
(権利擁護業務)
第18条 法第115条の45第2項第2号に規定する権利擁護業務は、地域の住民、民生委員、介護支援専門員等の支援だけでは十分に問題が解決できない、適切なサービス等につながる方法が見つからない等の困難な状況にある高齢者が、地域において尊厳のある生活を維持し、安心して生活を送ることができるよう、専門的・継続的な視点から、高齢者の権利擁護のための必要な支援を行うことを目的とする。
2 事業内容は、日常生活自立支援事業、成年後見制度等の権利擁護を目的とするサービスや制度を活用する等、ニーズに即した適切なサービスや機関につなぎ、適切な支援を提供することにより、高齢者の生活の維持を図るものとする。
3 前項の事業にあたり、特に高齢者の権利擁護の観点からの支援が必要と判断した場合には、次のような諸制度を活用するものとする。
(1) 成年後見人制度の利用が必要と思われる高齢者の親族等に対して、成年後見人制度の説明や申立てに当たっての関係機関の紹介等を行うものとする。
(2) 前号において、申立てを行える親族がいないと思われる場合や、親族があっても申立てを行う意思がない場合で、成年後見の利用が必要と認める場合、速やかに町の担当係に当該高齢者の状況等を報告し、市町村申立てにつなげるものとする。
(3) 虐待等の場合で、高齢者を老人福祉施設等へ措置入所させることが必要と判断した場合は、町の担当係に当該高齢者の状況等を報告し、措置入所の実施を求めるものとする。
(4) 虐待の事例を把握した場合には、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(平成17年法律第124号)等に基づき、速やかに当該高齢者を訪問して状況を確認する等、事例に即した適切な対応をとるものとする。なお、業務の詳細については、「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(平成18年4月厚生労働省老健局)を参照するものとする。
(5) 高齢者やその家族に重層的な課題が存在している場合、高齢者自身が支援を拒否している場合等の困難事例を把握した場合には、地域包括支援センターに配置されている専門職が相互に連携するとともに、地域包括支援センター全体で対応を検討し、必要な支援を行うものとする。
(6) 訪問販売によるリフォーム業者等による消費者被害を未然に防ぐため、消費生活センター等と定期的な情報交換を行うとともに、民生委員、介護支援専門員、訪問介護員等に必要な情報提供を行うものとする。
4 成年後見制度の円滑な利用に向けて、次のことに留意しながら実施するものとする。
(1) 町、地方法務局等と連携し、成年後見制度を幅広く普及させるための広報等の取組みを行う。
(2) 鑑定又は診断書の作成手続きに速やかに取り組むことができるよう、地域で成年後見人となるべき者を推薦する団体等を、高齢者又はその親族に対して紹介するものとする。
(包括的・継続的ケアマネジメント支援業務)
第19条 包括的・継続的マネジメント支援業務は、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、介護支援専門員、主治医、地域の関係機関等の連携、在宅と施設の連携等、地域において、多職種相互の協働等により連携し、個々の高齢者の状況や変化に応じて、包括的かつ継続的に支援していく包括的・継続的ケアマネジメントを行うことが重要であるため、地域における連携・協働の体制づくりや個々の介護支援専門員に対する支援等を行うことを目的とする。
2 事業内容は、次のとおりとする。
(1) 在宅・施設を通じた地域における包括的・継続的なケアを実施するため、医療機関を含めた関係機関との連携体制を構築し、地域の介護支援専門員と関係機関の間の連携を支援するものとする。
(2) 前号において、地域の介護支援専門員が、地域における健康づくりや交流促進ののためのサークル活動、老人クラブ活動、ボランティア活動等介護保険サービス以外の地域における様々な社会資源を活用できるよう、地域の連携・協力体制についても整備するものとする。
(3) 地域の介護支援専門員の日常的な業務の円滑な実施を支援するために、介護支援専門員相互の情報交換等を行う場を設定する等介護支援専門員のネットワークを構築したり、その活用を図るものとする。
(4) 地域の介護支援専門員の日常的業務の実施に関し、介護支援専門員に対する個別の相談窓口の設置、居宅(介護予防)・施設サービス計画の作成技術の指導、サービス担当者会議の開催支援等、専門的な見地からの個別指導、相談への対応を行うものとする。
(5) 前号において、地域の介護支援専門員の資質向上を図る観点から、必要に応じて、地域包括支援センターの各専門職や関係機関とも連携の上、事例検討会や研修の実施、制度や施策等に関する情報提供等を行うものとする。
(6) 地域の介護支援専門員が抱える支援困難事例について、適宜、地域包括支援センターの各専門職や地域の関係者、関係機関との連携の下で、具体的な支援方針を検討し、指導助言等を行うものとする。
3 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務は、地域包括支援センターにおいて実施する総合事業の介護予防ケアマネジメント、介護予防支援、介護給付のケアマネジメントの相互の連携を図り、包括的・継続的なケアが提供されるよう配慮するものとする。
第2節 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)の実施に際しての留意事項
(留意事項)
第20条 地域包括支援センターの運営に当たっては、「地域包括支援センターの設置運営について」(平成18年10月18日厚生労働省老健局計画課、振興課、老人保健課長通知)を参照するとともに、次の点に留意し、実施を委託する場合においては、法第115条の47第1項の規定を遵守するものとする。
(2) 前号において、連携体制を支える共通基盤として、多職種協働による「地域包括支援ネットワーク」を構築するため、地域包括支援センターは、これらの関係者との連携に努めるものとする(法第115条の46第7項)。
(4) 町は、前条の包括的・継続的ケアマネジメント業務の効率的な実施のため、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び関係団体(以下「関係者等」という。)により構成される会議(以下「地域ケア会議」という。)の設置に努めなければならない(法第115条の48第1項)。
(5) 個別ケースを検討する地域ケア会議(地域ケア個別会議)は、地域包括支援センター等が主催し、医療、介護等の専門職をはじめ、民生委員、自治会長、NPO法人、社会福祉法人、ボランティア等地域の多様な関係者が協働し、介護支援専門員のケアマネジメント支援を通じて、介護等が必要な高齢者の住み慣れた住まいでの生活を地域全体で支援していくことを目的とする。
(6) 地域包括支援センターは、第4号に規定する地域ケア会議において、介護支援専門員の資質向上に資するよう、町内すべての介護支援専門員が年に1回は支援が受けられるよう、その効果的な実施に努めるものとする。
(7) 町は、個別ケースの検討により共有された地域課題を地域づくりや政策形成に着実に結びつけていくことで地域包括ケアシステムの構築にむけた施策の推進につながることから、町と地域包括支援センター緊密に連携し、かつ役割分担を行いながら取組みを推進していくものとする(法第115条の48第2項)。
(8) 事業の対象経費については、次のとおりとする。
ア 地域ケア会議(地域個別ケア会議及び地域ケア推進会議)については、包括的支援事業の対象とする。
イ 地域ケア会議の実施に係る費用については、第25条に規定する地域ケア会議推進事業に係る費用とする。
第4章 包括的支援事業(社会保障充実分)
第1節 在宅医療・介護連携推進事業(法第115条の45第2項第4号)
(包括的支援事業)
第21条 包括的支援事業(社会保障充実分)は、医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、在宅医療と介護を一体的に提供するために、医療機関と介護事業所等の関係者の連携を推進することを目的とする。
2 実施主体は町とする。ただし、第3項の事業の全部又は一部について、省令第140条の67に基づき、町が適当と認める者に委託することができる。
3 事業の内容は、次のとおりとする。
(1) 地域の医療・介護の資源の把握については、地域の医療機関、介護事業所等の住所、機能等を把握し、町が把握している情報と合わせて、リスト又はマップを作成し、地域の医療、介護関係者間の連携等に活用するものとする。
(2) 在宅医療・介護連携の課題抽出と対応策の検討地域の医療・介護関係者等が参画する会議を開催し、在宅医療・介護連携の現状の把握と課題の抽出、解決策等の検討を行うものとする。
(3) 切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進を図るため、地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と介護が一体的に提供される体制の構築に向けて必要となる具体的取組を企画・立案するものとする。
(4) 情報共有の手順等を定めた情報共有ツールを整備する等、地域の医療・介護関係者の情報共有を支援するものとする。
(5) 在宅医療・介護連携に関する相談支援として、地域の在宅医療・介護の連携を支援する人材を配置し、地域の医療・介護関係者、地域包括支援センター等からの、在宅医療・介護連携に関する事項の相談を受けるものとする。また、必要に応じて、退院の際の地域の医療関係者と介護関係者の連携の調整や、患者、利用者又は家族の要望を踏まえた、地域の医療機関等・介護事業者相互の紹介を行うものとする。
(6) 医療・介護関係者の研修については、地域の医療・介護関係者の連携を実現するために、多職種でのグループワーク等の研修を行うものとする。また、必要に応じて、地域の医療関係者に介護に関する研修、介護関係者に医療に関する研修を行うものとする。
(7) 地域住民への普及啓発として、在宅医療・介護連携に関する講演会の開催、パンフレットの作成・配布等により、地域住民の在宅医療・介護連携の理解を促進するものとする。
(8) 在宅医療・介護連携に関する関係市町の連携については、複数の関係市町が連携して、広域連携が必要な事項については協議するものとする。
4 この事業に関する留意事項は、次のとおりとする。
(1) 前項の事業全てを実施するものとする。
(2) 前項の事業について、本事業開始前に、関係機関・団体が既に行っている同様の取組がある場合は、本事業を行うに当たって、これを活用することができるものとする。
(3) 近隣市町が連携又は共同して、前項の事業全て又はその一部を実施することができるものとする。
(4) 本事業の実施については、「在宅医療・介護連携推進事業の手引き(厚生労働省老健局老人保健課)」を参考とする。
(5) 在宅医療・介護連携の形態は、地域の人口、医療・介護資源等に応じて様々であることから、前項の事業の実施に当たっては、介護・医療関連情報の「見える化」の取組、先行地域の事例等を踏まえつつ、柔軟に検討するものとする。
(6) 前項の事業の実施に併せて、栃木県(以下「県」という。)、郡市医師会等の関係団体等と、将来的な在宅医療と介護の連携の在り方について検討を行うものとする。
第2節 生活支援体制整備事業(法第115条の45第2項第5号)
(生活支援体制整備事業)
第22条 単身や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の高齢者が増加する中、医療、介護のサービスの提供のみならず、地域住民に身近な存在である町が中心となって、NPO法人、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁組織、介護サービス事業所、シルバー人材センター、老人クラブ、家政婦紹介所、商工会、民生委員等の生活支援サービスを担う事業主体と連携しながら、多様な日常生活支援体制の充実・強化及び高齢者の社会参加の推進を一体的に図って行くことを目的とする。
2 実施主体は町とする。ただし、第3項の事業の全部又は一部について、省令第140条の67に基づき、町が適当と認める者に委託することができる。
3 実施内容は、次のとおりとする。
(1) 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置については、高齢者の生活支援・介護予防サービス(以下「生活支援等サービス」という。)の体制整備を推進していくため、以下のとおり、生活支援等サービスの提供体制の構築に向けて、以下のアに掲げるコーディネート機能を有する者を「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」(以下「コーディネーター」という。)とし、町全域を担う者として配置するものとする。
(ア) 資源開発(地域に不足するサービスの創出、サービスの担い手の養成、高齢者等が担い手として活動する場の確保等)
(イ) ネットワーク構築(関係者間の情報共有、サービス提供主体間の連携の体制づくり等)
(ウ) ニーズと取組のマッチング(地域の支援ニーズとサービス提供主体の活動のマッチング等)
イ コーディネートの実施は、町全域を対象とした次の事業とする。
(ア) 地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起
(イ) 地縁組織等多様な主体への協力依頼等の働きかけ
(ウ) 関係者のネットワーク化
(エ) 目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一
(オ) 生活支援の担い手の養成やサービスの開発(担い手を養成し、組織化し、担い手を支援活動につなげる機能)
(カ) ニーズとサービスのマッチング
ウ 配置については、地域包括支援センターとの連携を前提とした上で、地域の実情に応じた多様な配置とすることができるものとする。
エ 資格・要件については、地域における助け合いや生活支援等サービスの提供実績のある者又は中間支援を行う団体等であって、地域でコーディネート機能を適切に担うことができる者とする。
オ エにおける者として、市民活動への理解があり、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体と連絡調整できる立場の者であって、国や県が実施する研修を終了した者(或いは、それと同等の経験を持つ者)、また、自己が属する組織の活動の枠組みを超えた視点、地域の公益活動の視点、公平中立な視点を有する者を望むものとする。
(2) 協議体の設置に関しては、次のとおりとする。
ア 生活支援等サービスの体制整備に向けて、多様な主体の参画が効果的な取組につながることから、町が主体となって、コーディネーターと生活支援等サービスの多様な提供主体等が参画する定期的な情報の共有・連携強化の場を設置することにより、多様な主体間の情報共有及び連携・協働による体制整備を推進することを目的とする。
イ 協議体の役割は、次のとおりとする。
(ア) コーディネーターの組織的な補完
(イ) 地域ニーズ、既存の地域資源の把握、情報の見える化の推進(実態調査の実施や地域資源マップの作成等)
(ウ) 企画、立案、方針策定を行う場(生活支援等サービスの担い手養成に係る企画等を含む。)
(エ) 地域づくりにおける意識の統一を図る場
(オ) 情報交換の場、働きかけの場等
ウ 設置主体は、町とする。ただし、類似のネットワークの枠組みの活用も踏まえ、地域のネットワーク化を図りながら設置するものとする。
エ 協議体の構成は、町、地域包括支援センター等の行政機関、コーディネーターのほか、NPO法人、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁組織、協同組合、民間企業、ボランティア団体、介護サービス事業者、シルバー人材センター等の地域の関係者のほか、地域の実情に応じて適宜参画者を募るものとする。また、介護保険制度でのサービスのみならず、町実施事業や民間市場、或いは地域の支え合いで行われているサービスを含めて町内の資源を把握し、保険外のサービスの活用を促進しつつ、互助を基本とした生活支援等サービスが創出されるような取組を積極的に進めるために、地域の実情、ニーズに応じて配食事業者、移動販売事業者、移動支援団体等、地域の高齢者の生活を支える上で必要不可欠な民間企業等の参画も募るよう努めるものとする。
(3) 留意すべき点は、次のとおりとする。
ア 本事業を効果的に実施するため、企画段階や支援の担い手として、積極的に高齢者を含めた地域住民の参加を促していくこととする。
イ 本事業に関して、以下のような取組を実施することができるものとする。
a 協議体の設置に向けた生活支援等サービスの充実に関する研究会等の立ち上げや開催。
b 研究会や協議体等が中心となって実施する地域資源の実態調査等の情報収集
c 生活支援等サービスに係るボランティア等の担い手を養成するための研修等の実施。なお、当該研修は、町が単独で実施するものを対象とする。
ウ コーディネーターは、生活困窮者対策の相談支援員、主任相談支援員や社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーカー(地域福祉コーディネーター)等他の職種とも連携し、地域のネットワークを活かして取り組むものとし、必要に応じて他の職種と兼務することができるものとする。
エ 協議体の設置は、コーディネーターと同様、町の実情に応じて様々な手法により設置することができるものとする。ただし、今後の地域の生活支援等サービスのニーズ等に臨機応変に対応するため、協議体の構成参画者については、柔軟に変更できる仕組みとする。
オ 町は、生活支援等サービスに係る体制整備の進捗状況を把握しながら計画的に取り組むため、必要に応じて事業の評価や効果測定を行うものとする。
第3節 認知症総合支援事業(法第115条の45第2項第6号)
(認知症初期集中支援推進事業)
第23条 この事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
2 実施主体は、町とする。ただし、次項の事業の全部又は一部について、省令第140条の67に基づき、町が適当と認める者(地域包括支援センター、認知症疾患医療センター、診療所等)に委託することができる。
3 事業内容は、次のとおりとする。
(1) 実施体制は、次のとおりとする。
ア 支援チームは、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む病院・診療所等に配置することとし、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。
イ 支援チームは、地域包括支援センター職員や町保健師、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医養成研修修了者(以下「認知症サポート医」という。)、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師、認知症疾患医療センター職員、介護事業者との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保するものとする。
a 保健師
b 看護師
c 準看護師
d 作業療法士
e 歯科衛生士
f 精神保健福祉士
g 社会福祉士
h 介護福祉士
i 認知症ケアや在宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者
(イ) チーム員は、国が定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識・技能を修得するものとする。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。
(ウ) 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ認知症サポート医である者。ただし、前記医師の確保が困難な場合には、当分の間、次の医師も認めることとする。
a 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者
b 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)
エ チーム員の役割は、次のとおりとする。
(ア) ウ(ア)を満たす専門職は、目的達成のため、訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。
(イ) ウ(ウ)を満たす専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。なお、訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上で訪問することとする。
(ウ) 観察・評価票の記入は、チーム員である保健師又は看護師が行うことを基本とするが、チーム員でない地域包括支援センター、認知症疾患医療センター等の保健師又は看護師が訪問した上で行うことも可能とする。
オ 認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等について、町は実施主体として、次の体制を講じるものとする。
(ア) 医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置するとともに、検討委員会が関係機関・団体と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努めなければならない。
(イ) 支援チームと医療関係者との連携を図るため、認知症疾患医療センターや地元医師会との事前協議や主治医(かかりつけ医)に対する連絡票等情報の共有化に向けたツールの作成やそれを用いた地域の連携システムの構築を図るものとする。
ア 医療サービス又は介護サービスを受けていない者、又は中断している者で次のいずれかに該当する者
(ア) 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
(イ) 継続的な医療サービスを受けていない者
(ウ) 適切な介護サービスに結び付いていない者
(エ) 介護サービスが中断している者
イ 医療サービス、介護サービスを受けているが、認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者
ア 支援チームに関する普及啓発については、地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う等、各地域の実情に応じた取り組みを行うものとする。
イ 認知症初期集中支援の実施については、次のとおりとする。
(ア) 訪問支援対象者の把握については、支援チームが必ず地域包括支援センター及び認知症疾患医療センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮するものとする。この場合、チーム員が直接訪問対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センター及び認知症疾患医療センターと情報の共有を図るものとする。
(イ) 情報収集及び観察・評価については、本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え、家族の状況等を情報収集するものとする。また、信頼性・妥当性の検証がされた観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行うものとする。
(ウ) 初回訪問時の支援として、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行うものとする。なお、この場合の時間として、おおむね2時間以内を目安とする。
(エ) 初回訪問後、訪問支援対象者後毎に、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行うものとする。また、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、町関係課の職員等の参加も求めるものとする。
(オ) 初期集中支援の実施については、医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行うものとする。なお、この支援は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6か月とする。
(カ) 初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、認知症疾患医療センター、地域包括支援センターの職員や担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引き継ぎを行うものとする。
a 引継ぎ後の2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。
b 訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類の保存年限は、5年とする。
(キ) 支援実施中の情報の共有については、訪問支援対象者の情報を地域包括支援センター等の関係機関が把握した場合には、認知症初期集中支援チーム及び認知症疾患医療センターに情報を提供する等して情報共有を図り、事業を実施するものとする。
ウ 町は、認知症初期集中支援チーム検討会を設置し、認知症初期集中支援チーム検討会は支援チームの活動状況を検討するものとする。
4 認知症初期集中支援チームに関する留意事項は、次のとおりとする。
(1) チーム員は、個人情報保護法の規定等を踏まえ、訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報やプライバシーの尊重、保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(2) 実施主体は、第24条に規定する認知症支援・ケア向上事業を実施する場合においては、認知症地域支援推進員等と支援チームが効率的かつ有機的に連携できるように調整を行い、定期的な情報交換ができるような環境をつくるように努めるものとする。
(3) 実施主体は、地元医師会、認知症疾患医療センターその他の認知症に関する専門的な医療を提供する医療機関、認知症専門医、認知症サポート医等との連携に努めるものとする。
(4) 事業の実施区域外の情報提供を得た場合においても、当該訪問支援対象者の支援に関わる情報提供について同意を得た上で、当該訪問支援対象者が居住する日常生活圏域を担当する地域包括支援センター及び認知症疾患医療センターに情報を提供する等の連携を図るものとする。
(5) 実施主体は、本事業に係る経理と他の事業に係る経理を明確に区分しなければならない。
(6) 実施主体は、本事業の実施に当たって、「認知症初期集中支援チーム員研修テキスト」(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)を参考に行うものとする。
(7) 近隣市町が連携又は共同して、前項の事業全て又はその一部を実施することができるものとする。
(認知症地域支援・ケア向上事業)
第24条 認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、認知症の容態の変化に応じ、全ての期間を通じて、必要な医療、介護及び生活支援を行うサービスが有機的に連携したネットワークを形成し、認知症の人に対して効果的な支援が行われる体制を構築するとともに、地域の実情に応じて、認知症ケアの向上を図るための取組を推進することが重要なため、町は、認知症疾患医療センターを含む医療機関や介護サービス及び地域の支援機関の連携を図るための支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務、地域において生きがいをもった生活を送れるよう社会参加活動のための体制整備等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置し、当該推進員を中心として、医療・介護等の連携強化等による、地域における支援体制の構築と認知症ケアの向上を図ることを目的とする。
2 実施主体は、町とする。ただし、第3項の事業の全部又は一部について省令第140条の67に基づき、町が適当と認める者に委託することができる。
3 事業内容は、次のとおりとする。
(1) 実施体制は、次のとおりとする。
ア 推進員は、地域包括支援センター、町、認知症疾患医療センター等に配置するものとし、次のいずれかの要件を満たす者を1名以上配置するものとする。
(ア) 認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有する医師
(イ) 保健師
(ウ) 看護師
(エ) 作業療法士
(オ) 歯科衛生士
(カ) 精神保健福祉士
(キ) 社会福祉士
(ク) 介護福祉士
(ケ) その他認知症の介護や医療における専門的知識及び経験を有する者として町が認めた者
イ 町は、必要に応じて県と連携しながら、研修会や関係者によるネットワーク会議等の機会を通じて、推進員の活動を行う上で有すべき知識の確認と資質の向上に取り組むものとする。
ウ 医療と介護の連携を図るため、認知症サポート医、認知症疾患医療センターの専門医等の医師を嘱託医として地域包括支援センター、町等に配置し、次の活動を行うことができる。
(ア) 推進員からの相談に対する医療的見地からの助言
(イ) 認知症の人を専門医療機関につなぐための関係機関との調整
(ウ) 地域において認知症の人への支援を行う関係者の会議への出席・助言
ア 認知症の人に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関、介護サービス事業者や認知症サポーター等地域において認知症の人を支援する関係者の連携を図るための取組
(具体例)
・ 認知症の人やその家族が状況に応じて必要な医療や介護等のサービスが受けられるような関係機関との連携体制を構築する。
・ 地元医師会や認知症サポート医、認知症疾患医療センターの専門医等とのネットワークを形成する。
・ 認知症ケアパス(状態に応じた適切な医療や介護サービス提供の流れ)の作成・普及における主導的役割を担う。
・ 推進員が配置されていない他の地域包括支援センターに対する認知症対応力向上のための支援を行う。
イ 認知症地域支援推進員を中心に地域の実情に応じて、地域における認知症の人とその家族を支援する相談支援や支援体制を構築するための取組
(具体例)
・ 認知症の人やその家族等から相談があった際、その知識・経験を活かした相談支援を実施する。
・ 「認知症初期集中支援推進事業」で設置する「認知症初期集中支援チーム」と連携を図る等により、状況に応じた必要なサービスが提供されるよう調整
(ア) 病院・介護保険施設等で認知症対応力向上を図るための支援事業として、病院や介護保険施設等の職員の認知症への理解を深め、対応力を高めるために、認知症疾患医療センター等の専門医等が処遇困難事例に対しては事例検討を行い個別支援を実施する。
(イ) 地域密着型サービス事業所・介護保険施設等での在宅生活継続のための相談・支援事業として、認知症の人が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくために、認知症対応型共同生活介護事業所、小規模多機能型居宅介護事業所、特別養護老人ホーム等が、相談員を配置し、当該事業所等が有する知識・経験・人材を活用し、在宅で生活する認知症の人やその家族に対して効果的な介護方法等の専門的な相談支援等を行う。
(ウ) 認知症の人の家族に対する支援事業として、町又は町が適当と認める者が「認知症カフェ」等を開設することにより認知症の人とその家族、地域住民、専門職が集い、認知症の人を支えるつながりを支援し、認知症の人の家族の介護負担の軽減等を図る。
(エ) 認知症ケアに携わる多職種協働のための研修事業については、医療も介護も生活支援の一部であることを十分に意識し、医療と介護等が相互の役割・機能を理解しながら、統合的なケアにつなげていくため、認知症ケアにおける多職種協働の重要性を修得する認知症多職種協働研修を実施する。
(オ) 認知症高齢者をはじめとする高齢者や若年性認知症の人の社会参加活動の体制整備事業として、認知症高齢者をはじめとする高齢者や若年性認知症の人が、地域において役割を担い、生きがいをもった生活を送れるよう、高齢者等の希望に応じ、これまでの経験や残された能力を活かして、農作業や商品の製造・販売、食堂の運営、その他の軽作業、地域活動等、社会参加活動を行う為の体制を整備する。
4 この事業における留意事項は、次のとおりとする。
(1) 推進員及び嘱託医は、個人情報保護法の規定等を踏まえ、訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報やプライバシーの尊重、保護に万全を期するものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(2) 本事業の実施に当たって、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関、介護サービス事業所等の関係機関での情報共有を図り、連携に努めるものとする。
(3) 町は、第23条に規定する認知症初期集中支援推進事業を実施する場合においては、推進員等と認知症初期集中支援チームが効率的かつ有機的に連携できるように調整を行い、定期的な情報交換ができるような環境整備に努めるものとする。
(4) 町は、本事業の実施に当たって、地元医師会や医療機関、認知症サポート医、認知症疾患医療センターの専門医等との連携に努めるものとする。
(5) 認知症疾患医療センターを含む医療機関等、地域包括支援センターを含む社会福祉協議会等から町外に居住する者に関する情報提供を受けた場合においても、当該者の支援に関わる情報提供について同意を得た上で、当該者が居住する区域を担当する地域包括支援センターや認知症疾患医療センターに情報を提供する等の連携を図るものとする。
(6) 町は、「栃木県認知症総合対策推進事業」の認知症対策推進会議を通じ、本事業の実施状況等の情報提供について協力するものとする。
(7) 町は、本事業にかかる経費と他の事業に係る経費を明確に区分しなければならない。
(8) 近隣市町が連携又は共同して第3項に規定する事業のすべて又はその一部を実施することができる。
ア 維持管理費
イ 町が独自に個人に金銭給付(これに準ずるものを含む)を行う費用、又は個人負担を直接的に軽減する費用
ウ 介護保険サービスの一環として行われる社会参加活動に当てられる費用
エ 国からの補助金、交付金等を使用して行われる社会参加活動の取組に当てられる費用
オ 営利を目的とする活動に要する費用
第4節 地域ケア会議推進事業
(地域ケア会議)
第25条 地域ケア会議推進事業の内容については、第20条第4号に規定する内容のとおりとするが、当該地域ケア会議にかかる費用については、包括的支援事業(地域包括支援センター運営)ではなく、本事業において計上しなければならない。
第5章 任意事業
(任意事業の目的)
第26条 地域の高齢者が、住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続していくことができるよう、介護保険事業の運営の安定化を図るとともに、被保険者及び要介護被保険者を現に介護する者等に対し、地域の実情に応じた必要な支援を行うことを目的とする。
2 対象者は、被保険者、要介護被保険者を現に介護する者、その他個々の事業の対象者として町が認める者とする。ただし、住宅改修費の支給の申請に係る必要な理由がわかる書類を作成する事業又は必要な理由が分かる書類を作成した場合の経費を助成する事業については、住宅改修の活用を希望する要介護(要支援)被保険者で、居宅介護(介護予防)支援の提供を受けていない者に対して当該者の住宅改修費の支給の申請に係る必要な書類を作成した者に限る。
3 任意事業の事業内容は、法第115条の45第3項各号において、介護給付等費用適正化事業、家族介護支援事業、その他介護保険事業の運営の安定化及び被保険者の地域における自立した日常生活の支援のため必要な事業と規定されているが、地域の実情に応じ、創意工夫を生かした多様な事業形態を可能とし、具体的には、次に掲げる事業を対象とする。
(1) 介護給付等費用適正化事業は、主に次の事業をいう。
ア 介護(予防)給付について真に必要な介護サービス以外の不要なサービスが提供されていないかの検証
イ 本事業の趣旨の徹底や良質な事業展開のために必要な情報の提供
ウ 介護サービス事業者間による連絡協議会の開催等により、利用者に適切なサービスを提供できる環境の整備を図るとともに、介護給付等(指定事業者による介護予防・生活支援サービス事業も含む。)に要する費用の適正化のための事業
エ 介護給付等(指定事業者による介護予防・生活支援サービス事業も含む。)に要する費用の適正化のための事業のうち、主要な適正化事業(厚生労働大臣が定める主要介護給付等費用適正化事業を定める件(平成20年厚生労働省告示第31号))は次のとおりとする。
(ア) 認定調査状況チェック
(イ) ケアプランの点検
(ウ) 住宅改修等の点検
(エ) 医療情報との突合・縦覧点検
(オ) 介護給付費通知
オ エの事業の他、以下の事業を実施することができる。
(ア) 給付実績を活用した分析・検証事業として、国保連合会で実施する審査支払いの結果から得られる給付実績を活用して、不適切な給付や事業者を発見し、適正なサービス提供と介護費用の効率化、事業者の指導育成を図るもの。
(イ) 介護サービス事業者等への適正化支援事業は、介護給付費の適正な執行が、受給者に対して真に必要とする過不足のないサービスを実施することを通して、受給者や地域からの事業者の信頼を高め、事業者自身の健全な発展を推進することが重要であることから、研修や説明会等を通じて事業者と適正化事業の目的を共有し、その実現に向けて協働して取り組むよう事業者や事業者団体に対して働きかけるもの。
(2) 家族介護支援事業は、介護方法の指導その他の要介護被保険者を現に介護する者の支援のため必要な次の事業を実施する。
ア 介護教室は、要介護被保険者の状態の維持・改善を目的とした適切な介護知識・技術の習得や、外部サービスの適切な利用方法の習得等を内容として開催する。
イ 認知症高齢者見守り事業は、地域における認知症高齢者の見守り体制の構築を目的とした、認知症に関する広報・啓発活動、徘徊高齢者を早期発見できる仕組みの構築・運用、認知症高齢者に関する知識のあるボランティア等による見守りのための訪問等を行う。
ウ 家族介護継続支援事業は、家族の身体的・精神的・経済的負担の軽減を目的とした次の事業とする。
(ア) 要介護被保険者を現に介護する者に対するヘルスチェックや健康相談の実施による疾病予防、病気の早期発見等を行うための事業
(イ) 介護から一時的に開放するための介護者相互の交流会等を開催するための事業
(ウ) 以下の要件のいずれも満たす要介護者を、現に介護している家族を慰労するための事業。
a 事業実施前1年の間において介護保険法第8条各項に定めるサービスを全く利用していない要介護者。ただし、地域の実情や家族の状況を踏まえ、福祉用具貸与、特定福祉用具販売又は住宅改修のみを利用する要介護者若しくは、事業実施前1年の間における介護保険法第8各項に定めるサービス(福祉用具貸与及び特定福祉用具販売を除く。)の利用日数が10日以内の要介護者のいずれかに該当する要介護者を現に養護している家族を対象とすることは差し支えないものとする。
b 要介護3以上の要介護者又は要介護2の者で、かつ、認定調査時の主治医意見書において認知症高齢者の日常自立度がⅡ以上の要介護者を現に介護している家族を対象とすることは差し支えないものとする。
ア 成年後見制度利用支援事業として、市町村申立て等に係る低所得の高齢者にかかる成年後見制度の申立てに要する経費や成年後見人等の報酬の助成等を行う。ただし、本事業は、市町村申立てに限らず、本人申立て、親族申立て等についても対象とする。
イ 福祉用具・住宅改修支援事業として、福祉用具・住宅改修に関する相談・情報提供・連絡調整等の実施、福祉用具・住宅改修に関する助言、住宅改修の支給の申請に係る必要な理由が分かる書類の作成及び必要な理由が分かる書類を作成した場合の経費の助成を行う。
ウ 認知症対応型共同生活介護事業所の家賃等助成事業は、当該事業所において要介護者及び要支援2の認定を受けた者を受け入れ、家賃、食材料費及び光熱水費の費用負担が困難な低所得者に対し、利用者負担の軽減を行っている事業者を対象として助成を行う。
エ 認知症サポーター等養成事業は、認知症サポーター養成講座の企画・立案及び実施を行うキャラバン・メイトを養成するとともに、地域や職域において認知症の人と家族を支える認知症サポーターを養成する。具体的には、「認知症サポーター等養成事業の実施について」(平成18年7月12日老計発0712001号厚生労働省老健局計画課長通知)に基づき実施するものとする。
オ 重度のALS患者の入院におけるコミュニケーション支援事業として、患者の入院において入院前から支援を行っている等、当該ALS患者とのコミュニケーションについて熟知している支援者が、当該重度のALS患者の負担により、その入院中に付き添いながらコミュニケーション支援を行う。具体的には、「重度のALS患者の入院におけるコミュニケーションに係る支援に関する地域支援事業の取り扱いについて」(平成23年7月1日厚生労働省老健局振興課長通知)に基づき実施する。
(ア) 高齢者の安心な住まいの確保に資する事業として、サービス付き高齢者向け住宅、多くの高齢者が居住する集合住宅等を対象に、日常生活上の生活相談・指導、安否確認、緊急時の対応や一時的な家事援助等を行う生活援助員を派遣し、関係機関・関係団体等による支援体制を構築する等、地域の実情に応じた、高齢者の安心な住まいを確保するための事業を行う。
(イ) 介護サービスの質の向上に資する事業として、地域で活躍している高齢者や民生委員等が、介護サービス利用者のための相談等に応じるボランティア(介護相談員)として、利用者の疑問や不満、不安の解消を図るとともに、サービス担当者と意見交換等(介護相談員派遣事業)を行う。
(ウ) 地域資源を活用したネットワーク形成に資する事業として、栄養改善が必要な高齢者(介護予防・日常生活支援総合事業において、配食の支援を受けているものを除く。)に対し、地域の社会福祉法人等が実施している配食の支援を活用し、高齢者の状況を定期的に把握するとともに、必要に応じ、地域包括支援センター等に報告する。
(エ) 家庭内の事故等への対応の体制整備に資する事業として、高齢者のいる世帯における家庭内の事故等による通報に随時(24時間・365日)に対応するための体制整備(電話を受け付け、適切なアセスメントを行う専門知識を有するオペレーターの配置等)を行う。
4 この事業に関する留意事項は、次のとおりとする。
(1) 任意事業の実施に当たっては、包括的支援事業の円滑な実施に資するネットワークの構築や地域のコミュニティの形成を踏まえる等、地域における社会資源に留意しながら、事業ごとの実施目標の設定や実施後の効果検証等を行いながら、効果的・効率的な実施に努めるものとする。
(2) 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営等)及び任意事業の実施に必要な上限額については、「第3期介護給付適正化計画」に関する指針(平成26年8月29日老介発0829第1号厚生労働省老健局介護保険計画課長通知)に基づき策定された県の第3期適正化計画及び町の実施目標と整合性を図りながら、5つの事業ごとに目標の設定、実施後の分析・評価、課題の整理及び改善策の検討を行い、効果的な事業実施に努めるものとする。
(3) 住宅改修費の支給の申請に係る必要な理由がわかる書類を作成する事業及び必要な理由がわかる書類を作成した場合の経費を助成する事業の実施に当たっては、介護支援専門員又は作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定試験二級以上その他これに準ずる資格等を有する者等、居宅介護住宅改修費又は介護予防住宅改修費の支給の対象となる住宅改修について十分な専門性があると認められる者が作成者であること。
(4) 前項第3号カ(ウ)のような、配食の支援を活用した事業を実施する場合、食材料費及び調理費相当分は利用者負担とすることを基本とするが、利用料の設定に当たっては、低所得者への配慮や町における財源等を考慮するものとする。なお、事業の対象者・利用の負担額等については、予め要綱等において明確に規定しておくものとする。
(5) 任意事業については、他の国庫補助事業の対象となる場合は、当該他の補助事業を優先するものとする。
(6) 実施する事業の目的が介護予防に資するものであって、次に掲げるものについては、総合事業において実施するものとする。
ア 介護予防教室や高齢者の介護予防に係る指導者の養成
イ 高齢者の生きがいや健康づくり
ウ 介護予防・社会参加を目的とした場づくり
エ 介護支援ボランティアポイント
オ その他、介護予防の取組として実施することが適切なもの
附則
1 この要綱は、平成29年4月1日から適用する。ただし、次の各号に定めるものは、平成30年4月1日から適用する
(1) 第4章第1節に規定する在宅医療・介護連携推進事業
(2) 第4章第2節に規定する生活支援体制整備事業
(3) 第4章第3節に規定する認知症総合支援事業
2 第15条第3項第1号イ(ア)aに定める旧介護予防訪問介護に相当するサービス及び同条同項同号イ(イ)aに定める旧介護予防通所介護に相当するサービス以外のサービスについては、町が行う事業所の指定、助成、補助、委託、住民や事業者の参入によって実施するものとする。
改正文(令和元年10月1日告示第30号)抄
令和元年10月1日から適用する。
別添1
訪問介護員等によるサービス費(訪問介護従前相当サービス費)及び通所介護事業者の従事者によるサービス費(通所介護従前相当サービス費)は、それぞれ以下に掲げる費用を算定するものとする。なお、当該費用の算定にあたっては、以下に掲げる他は、平成30年度介護報酬改定前の指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第127号)及び指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成18年3月17日老計発第0317001号・老振発第0317001号・老老発第0317001号、厚生労働省老健局計画・振興・老人保健課長連名通知)に準ずるものとする。ただし、介護職員等特定処遇改善加算については、平成31年度介護報酬改訂後の指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示代127号)及び指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成18年3月17日老計発第0317001号・老振発第0317001号・老老発第0317001号、厚生労働省老健局計画・振興・老人保健課長連名通知)の介護職員等特定処遇改善加算の取扱に準ずるものとする。
1 訪問介護員等によるサービス費(訪問介護従前相当サービス費)
イ 訪問型サービス費Ⅰ 1,172単位
(事業対象者・要支援1・2 1月につき・週1回程度の訪問)
ロ 訪問型サービス費Ⅱ 2,342単位
(事業対象者・要支援1・2 1月につき・週2回程度の訪問)
ハ 訪問型サービス費Ⅲ 3,715単位
(事業対象者・要支援2 1月につき・週2回を超える程度の訪問)
二 訪問型サービス費Ⅳ 267単位
(事業対象者・要支援1・2 1回につき・1月の中で全部で4回までのサービスを行った場合)
ホ 訪問型サービス費Ⅴ 271単位
(事業対象者・要支援1・2 1回につき・1月の中で全部で5回から8回までのサービスを行った場合)
ヘ 訪問型サービス費Ⅵ 286単位
(事業対象者・要支援2 1回につき・1月の中で全部で9回から12回までのサービスを行った場合)
ト 訪問型サービス費(短時間サービス) 166単位
(事業対象者・要支援1・2 1回につき 主に身体介護を行う場合 1月につき22回まで算定可能)
チ 初回加算 200単位(1月につき)
リ 生活機能向上連携加算
(1) 生活機能向上連携加算(Ⅰ) 100単位(1月につき)
(2) 生活機能向上連携加算(Ⅱ) 200単位(1月につき)
ヌ 介護職員処遇改善加算
(1) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)+所定単位×137/1000
(2) 介護職員処遇改善加算(Ⅱ)+所定単位×100/1000
(3) 介護職員処遇改善加算(Ⅲ)+所定単位×55/1000
(4) 介護職員処遇改善加算(Ⅳ)+(3)の90/1000
(5) 介護職員処遇改善加算(Ⅴ)+(3)の80/100
ル 介護職員等特定処遇改善加算
(1) 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)+所定単位×63/1000
(2) 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)+所定単位×42/1000
注1 生活援助従事者研修の終了者が身体介護に従事した場合は、当該月においてイからルを算定しない。
注2 リの算定要件等については、平成30年度介護報酬改定後の訪問介護における生活機能向上連携加算の取扱に準ずる。
注3 イからトまでについて、事業所と同一建物の利用者又はこれ以外の同一建物の利用者20人以上にサービスを行う場合は、所定単位数に90/100を乗じる。なお、建物の範囲については、平成30年度介護報酬改定後の訪問介護における取扱に準ずる。
注4 イからトまでについて、特別地域加算を算定する場合は、所定単位数に15/100を乗じた単位を足す。
注5 イからトまでについて、中山間地域等における小規模事業所加算を算定する場合は、所定単位数に10/100を乗じた単位を足す。
注6 イからトまでについて、中山間地域に居住する者へのサービス提供加算を算定する場合は、所定単位数に5/100を乗じた単位を足す。
注7 ヌについて、所定単位はイからリまでにより算定した単位数の合計。なお、(Ⅳ)(Ⅴ)については、給付において廃止される同時期において廃止する。
注8 ルについて、所定単位はイからリまでにより算定した単位数の合計。算定に当たっては、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを算定していることを要件とする。また、(1)の算定に当たっては、対象事業所が、併設の指定訪問介護事業所において特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定していることを要件とする。なお、(1)か(2)のいずれかの加算を算定している場合において、一方の加算は算定しない。
注9 特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算及び介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算は、支給限度額管理の対象外の算定項目である。
2 通所介護事業者の従事者によるサービス費(通所介護従前相当サービス費)
イ 通所型サービス費
(1) 事業対象者・要支援1 1,655単位(1月につき)
(2) 事業対象者・要支援2 3,393単位(1月につき)
(3) 事業対象者・要支援1 380単位(1回につき・1月の中で全部で4回までのサービスを行った場合)
(4) 事業対象者・要支援2 391単位(1回につき・1月の中で全部で5回から8回までのサービスを行った場合)
ロ 生活機能向上グループ活動加算 100単位(1月につき)
ハ 運動器機能向上加算 225単位(1月につき)
ニ 栄養改善加算 150単位(1月につき)
ホ 口腔機能向上加算 150単位(1月につき)
へ 選択的サービス複数実施加算
(1) 選択的サービス複数実施加算(Ⅰ)
① 運動器機能向上及び栄養改善 480単位(1月につき)
② 運動器機能向上及び口腔機能向上 480単位(1月につき)
③ 栄養改善及び口腔機能向上 480単位(1月につき)
(2) 選択的サービス複数実施加算(Ⅱ)
運動器機能向上、栄養改善及び口腔機能向上 700単位(1月につき)
ト 事業所評価加算 120単位(1月につき)
チ サービス提供体制強化加算
(1) サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イ
① 事業対象者・要支援1 72単位(1月につき)
② 事業対象者・要支援2 144単位(1月につき)
(2) サービス提供体制強化加算(Ⅰ)ロ
① 事業対象者・要支援1 48単位(1月につき)
② 事業対象者・要支援2 96単位(1月につき)
(3) サービス提供体制強化加算(Ⅱ)
① 事業対象者・要支援1 24単位(1月につき)
② 事業対象者・要支援2 48単位(1月につき)
リ 生活機能向上連携加算 200単位(1月につき)※運動機能向上加算を算定している場合には、100単位(1月につき)
ヌ 栄養スクリーニング加算 5単位(1回につき)※6月に1回を限度とする
ル 介護職員処遇改善加算
(1) 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)+所定単位×59/1000
(2) 介護職員処遇改善加算(Ⅱ)+所定単位×43/1000
(3) 介護職員処遇改善加算(Ⅲ)+所定単位×23/1000
(4) 介護職員処遇改善加算(Ⅳ)+(3)の90/100
(5) 介護職員処遇改善加算(Ⅴ)+(3)の80/100
ヲ 介護職員等特定処遇改善加算
(1) 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)+所定単位×12/1000
(2) 介護職員等特定処遇改善加算(Ⅱ)+所定単位×10/1000
注1 イについて、利用者の数が利用定員を超える場合は、所定単位数に70/100を乗じる。
注2 イについて、看護・介護職員の員数が基準に満たない場合は、所定単位数に70/100を乗じる。
注3 イについて、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算を算定する場合は、所定単位数に5/100を乗じた単位を足す。
注4 イについて、若年性認知症利用者受入加算を算定する場合は、所定単位数に1月につき240単位を足す。
注5 イについて、事業所と同一建物に居住する者又は同一建物から利用する者に通所型サービスを行う場合は、それぞれ以下のとおり減算する。
イ(1)及び(3) 376単位
イ(2)及び(4) 752単位
注6 ロ、ハにおける機能訓練指導員については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有するはり師、きゅう師を対象に含むものとする。
注7 ニの算定要件については、平成30年度介護報酬改定後の通所介護における栄養改善加算の取扱に準ずる。
注8 リの算定要件等については、平成30年度介護報酬改定後の通所介護における生活機能向上連携加算の取扱に準ずる。
注9 ヌの算定要件等については、平成30年度介護報酬改定前後の通所介護における栄養スクリーニング加算の取扱に準ずる。
注10 ルについて、所定単位はイからヌまでによる算定した単位数の合計。なお、(Ⅳ)(Ⅴ)については、給付において廃止される同時期において廃止する。
注11 ヲについて、所定単位はイからヌまでによる算定した単位数の合計。算定に当たっては、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを算定していることを要件とする。また、(1)の算定に当たっては、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イを算定していることを要件とする。なお、(1)か(2)のいずれかの加算を算定している場合において、一方の加算は算定しない。
注12 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算、サービス提供体制強化加算及び介護職員処遇改善加算、介護職員等特別処遇改善加算は、支給限度額管理の対象外の算定項目である。
3 介護予防ケアマネジメント費
イ 介護予防ケアマネジメント費 431単位(1月につき)
ロ 初回加算 300単位(1月につき)
ハ 介護予防小規模多機能型居宅介護事業所連携加算 300単位
注1 介護予防ケアマネジメント費の算定は、要支援1及び要支援2を対象とする。
注2 住所地特例による財政調整においては、1件あたり431単位とする。算定にあたっては、住所地特例対象者の数に431単位をかけた金額の支払い・請求により財政調整を行うものとする。
別添5
総合事業の事業評価
総合事業の実施に当たっては、ボランティア活動と有機的な連携を図る等、地域の人材を活用していくことが重要である。60歳代、70歳代を始めとした高齢者の多くは、要介護状態や要支援状態に至っていないことから、こうした高齢者が地域で社会参加できる機会を増やしていくことが、高齢者の介護予防にもつながることとなる。併せて、できる限り多くの高齢者が、地域で支援を必要とする高齢者の支え手となっていくことで、より良い地域づくりにつながることとなる。
このため、地域づくりの観点から、事業全体を評価した上で、要支援者等に対する介護予防・生活支援サービス事業について事業評価を行うこととする。事業評価をする際には、以下の3段階の評価指標を活用することとする。
① ストラクチャー指標:事業を効果的かつ効率的に実施するための実施体制等に関する指標
② プロセス指標:事業を効果的かつ効率的に実施するための企画立案、実施過程等に関する指標
③ アウトカム指標:事業成果の目標に関する指標
なお、評価の実施に当たっては、関係者間での議論が重要であることから、町で開催している地域包括支援センターや地域密着型サービスの運営協議会等において議論することが重要である。また、地域の特性を活かしながら事業を運営することが重要であることから、以下の評価指標の視点を活かしながらそれぞれの地域の実情を踏まえた評価指標へと内容を修正したうえで、事業評価を実施していくことが重要となる。
1 総合事業
〈ストラクチャー指標〉
以下の4項目において、事業を効果的かつ効率的に実施するための実施体制を整備できているかどうかを年度ごとに評価する。(4段階で評価する場合の例:「1 できている、2 ある程度できている、3 あまりできていない、4 できていない」)この際、評価した具体的理由についても整理しておくものとする。
① 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的について、分かりやすく説明することのできる職員の養成や、説明資料の整備ができているか。
② 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的を共有(規範的統合)し、総合事業を実施する上で、介護保険、高齢者福祉、地域福祉、健康増進、企画、住民活動推進、自治会支援、社会教育等の担当部署と広く連携する体制を構築できているか。
③ 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的を共有(規範的統合)し、総合事業を実施する上で、地域包括支援センターと連携できる体制を構築できているか。
④ 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的を共有(規範的統合)し、総合事業を実施する上で、協議体を設置し、住民主体の活動、NPO法人、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁による組織、協同組合、民間企業、シルバー人材センターなどの多様な主体による多様なサービスの提供体制を構築できているか。
〈プロセス指標〉
以下の7項目について、事業を効果的かつ効率的に実施するための企画立案、実施過程等のプロセスについて、適切にできているかどうかを年度ごとに評価する。(4段階で評価する場合の例:「1 できている、2 ある程度できている、3 あまりできていない、4 できていない」)この際、評価した具体的理由についても整理しておくものとする。
① 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的を共有(規範的統合)できるよう、総合事業の企画・実施・評価のプロセスの中で、地域住民の意見収集や協議への住民参加が行われているか。
② 地域包括ケアシステムの構築に向けた基本方針及び目的を共有(規範的統合)できるよう、介護サービス事業者、医療機関、民間企業、NPO法人、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁による組織、協同組合、住民等のあらゆる関係者に働きかけを行っているか。
③ 自治会、社会福祉協議会、民生委員、いきいきクラブ、ボランティア、NPO法人、社会教育関係者の活動状況について地域資源として適切に把握できているか。
④ 介護予防の推進、生活支援の充実に関する行政課題を整理できているか。
⑤ 介護予防の推進、生活支援の充実を図っていく上で、長期的な視点をもって具体的な戦略を立てられているか。
⑥ 総合事業に関する苦情や事故を把握しているか。
⑦ 関係機関(地域包括支援センター、医療機関、民生委員等)において情報を共有するため、共有する情報の範囲、管理方法及び活用方法に関する取り決めをしているか。
以上の定性評価に加えて、以下の定量的指標を用いて総合事業の実施状況の評価を行う。
指標 | 評価方法 |
① 介護予防に資する住民主体の通いの場への65歳以上参加者数及び割合 | 年度ごとに任意の時点の介護予防に資する住民主体の通いの場への参加者の状況を集計し、時系列評価や地域間比較や他市町村と比較することで、住民主体の介護予防活動の取り組み状況を評価する。性別、前期高齢者・後期高齢者別の参加者の状況を集計するものとする。 |
※ 介護予防・日常生活支援総合事業実施状況調査を活用する。 | (参加者割合=参加者数÷高齢者数) |
② 介護予防に資する住民主体の通いの場の状況 | 年度ごとに任意の時点の介護予防に資する住民主体の通いの場を地図上にマッピングする等して、住民主体の介護予防活動の地域の展開状況を評価する。 |
その他の定量的指標の例を以下に示すこととする。
① 介護予防に関する講演会、相談会等の開催回数・参加者数
② 介護予防に関するイベント等の開催回数
③ 介護予防に関するボランティア育成のための研修会の開催回数・育成数
〈アウトカム指標〉
以下の定量的指標を用いて総合事業による効果の評価を行うものとする。
指標 | 評価方法 |
① 65歳以上新規認定申請者数及び割合 | 年度ごとに年間の新規認定申請者の状況を集計し、時系列評価、地域間や他市町との比較を行うことで、住民主体の介護予防活動の推進状況と、生活支援の充実状況の評価に活用する。 |
※ 介護予防・日常生活支援総合事業実施状況調査を活用する。 | (新規認定申請者割合=新規認定申請者数÷高齢者数) |
② 65歳以上新規認定者数及び割合(要支援・要介護度別) | 年度ごとに年間の新規認定者の状況(要支援・要介護度別)を集計し、時系列評価、地域間や他市町との比較を行うことで、住民主体の介護予防活動の取り組み状況と、生活支援の充実状況の評価に活用する。 |
※ 介護予防・日常生活支援総合事業実施状況調査を活用する。 | (新規認定者割合=新規認定者数÷高齢者数) |
③ 65歳以上要支援・要介護認定率(要支援・要介護度別) | 年度ごとに任意の時点の要支援・要介護認定率(要支援・要介護度別)を集計し、時系列評価、地域間や他市町との比較を行うことで、住民主体の介護予防活動の取り組み状況と、生活支援の充実状況の評価に活用する。 |
※ 介護保険事業状況報告を活用する。 | (認定率=認定者数÷高齢者数) |
④ 日常生活圏域ニーズ調査等による健康に関する指標の状況 | 複数年度ごとに任意の時点における地域の健康に関連する指標を集計し、時系列評価、地域間や他市町との比較を行うことで、住民主体の介護予防活動の取り組み状況と、生活支援の充実状況の評価に活用する。 健康関連の指標の例:主観的健康感(※)、社会参加の状況、運動機能、口腔機能、栄養状態、認知機能、閉じこもり、うつ、健康寿命等 |
⑤ 介護予防・日常生活支援総合事業の費用額 | 年度ごとに年間の介護予防・日常生活支援総合事業の費用総額の伸び率と、後期高齢者の伸び率との関係等について、時系列評価や他市町と比較することで、事業の効率性の評価に活用する。 |
⑥ 予防給付と介護予防・日常生活支援総合事業の費用総額 | 年度ごとに年間の予防給付と介護予防・日常生活支援総合事業の費用の総額の伸び率と後期高齢者の伸び率との関係等について、時系列評価や他市町と比較することで、事業の効率性の評価に活用するものとする。 |
2 総合事業(介護予防・生活支援サービス事業)
〈ストラクチャー指標〉
以下の1項目について、事業を効果的かつ効率的に実施するための実施体制を整備できているかどうかを年度ごとに評価する。(4段階で評価する場合の例:「1 できている、2 ある程度できている、3 あまりできていない、4 できていない」)この際、評価した具体的理由についても整理しておくものとする。
介護予防ケアマネジメントの実施に当たり、町、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所及びサービス事業提供者が、総合事業の趣旨や自立支援の重要性を共有し、連携する体制を構築できているか。
〈プロセス指標〉
以下の6項目について、事業を効果的かつ効率的に実施するための企画立案、実施過程等のプロセスについて、適切にできているかどうかを年度ごとに評価する。(4段階で評価する場合の例:「1 できている、2 ある程度できている、3 あまりできていない、4 できていない」)この際、評価した具体的理由についても整理しておくものとする。
① 窓口に相談にきた高齢者に対し、総合事業の目的、内容、サービスメニュー及び手続き方法について十分な説明を行っているか。
② 介護予防ケアマネジメントに関する様式が統一されているか。
③ 介護予防・生活支援サービス事業の実施状況を把握しているか。
④ 介護予防・生活支援サービス事業の実施量と需要量の関係を的確に把握しているか。
⑤ 介護予防・生活支援サービス事業の実施状況の検証に基づき、次年度以降の実施計画の見直しを行っているか。
⑥ 要支援者及び介護予防・生活支援サービス事業対象者の個人情報が共有されることについて、十分な説明を行い、同意を得ているか。
以上の定性評価に加えて、以下の定量的指標を用いて介護予防・生活支援サービス事業の実施状況の評価を行うものとする。
指標 | 評価方法 |
① 介護予防ケアマネジメント依頼書受理件数 ※ 介護予防・日常生活支援総合事業実施状況調査を活用する。 | 年度ごとに年間の介護予防ケアマネジメント依頼書受理件数を集計し、実施状況を評価する。 |
② 介護予防・生活支援サービス事業の実施状況 | 年度ごとに年間の各種事業の実施状況を集計し、実施回数及び利用者数により実施状況を評価する。訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービス別に実施回数及び利用者数(要支援1、要支援2、介護予防・生活支援サービス事業対象者別)を集計するものとする。 |
〈アウトカム指標〉
以下の定量的指標を用いて総合事業による効果の評価を行うものとする。
指標 | 評価方法 |
① 主観的健康感 | 年度ごとに年間の介護予防・生活支援サービス事業の利用者について、利用前後の主観的健康感の変化を集計し、維持・改善割合(事業利用者のうち利用後に主観的健康感が維持・改善された者の割合)により介護予防・生活支援サービス事業の効果を評価する。 |